Toyota Hilux (2018 year). Instruction japanese — part 13
191
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
衝突の可能性がなくてもシステムが作動するおそれがあるとき
●
例えば次のような状況では、システムが衝突の可能性があると判断し、作動す
るおそれがあります。
・ 車両や歩行者のすぐそばを通過するとき
・ 車線を変更して先行車を追いこすとき
・ 車線変更している先行車を追い抜くとき
・ 前方車両に急接近したとき
・ 路面にうねり・凹凸があるときなど、車両姿勢が変化しているとき
・ 道路脇の構造物(ガードレール・電柱・木・壁など)に近付いたとき
・ 道路脇が構造物に囲まれた狭い道(狭いトンネル・鉄橋など)を走行するとき
・ 路上または道路脇に金属物(マンホール・鉄板など)
・段差・突起物があるとき
・ 右左折する先行車を追いこすとき
・ 右左折待ちの対向車とすれ違うとき
・ 隣の車線の前方車両との位置関係がず
れる道(曲がりくねった道など)を走行
するとき
・ カーブ入り口の道路脇に車両・歩行者・
構造物が存在するとき
192
4-5. 運転支援装置について
・ ETC ゲートや駐車場のゲートなどの開閉バーに急速に接近したとき
・ 洗車機を使用するとき
・ 前方車両から水・雪・土埃などの巻き上げがあるとき
・ 車両前方に水蒸気や煙などがあるとき
・ 路面または壁面に車両や歩行者との区別がつきにくい模様・ペイントがある
とき
・ 電波の反射が強い物体(大型トラック・ガードレールなど)の横を走行する
とき
・ テレビ塔・放送局・発電所など、強い電波やノイズが発生する場所の近くを
走行するとき
・ 横断する歩行者が車両のすぐそばに近
付いたとき
・ 道路上方に構造物(天井の低いトンネ
ル・道路標識など)がある場所を走行す
るとき
・ 上り坂で道路上方に構造物(看板など)
がある場所を走行するとき
・ 車両に覆い被さるような障害物(生い
茂った草・垂れ下がった枝・垂れ幕な
ど)がある場所を走行するとき
193
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
システムが正常に作動しないおそれがあるとき
●
例えば次のような状況では、前方センサーが対象となる車両を検出できず、シ
ステムが正常に作動しないおそれがあります。
・ 前方から自車に向かって車両が近付いてくるとき
・ 前方車両がオートバイ・自転車のとき
・ 車両の側面または前面に近付いたとき
・ 先行車の後端面積が小さいとき(空荷のトラックなど)
・ 前方車両の荷台から荷物がはみ出しているとき
・ 前方車両が特殊な形状のとき(トラクター・サイドカーなど)
・ 前方車両が太陽光などを強く反射しているとき
・ 車両が横から割り込んできたり、飛び出してきたりしたとき
・ 前方車両が急な動きをしたとき(急ハンドル・急加速・急減速など)
・ 自車が車線変更を行い、変更した車線の先行車に急接近したとき
・ 悪天候(雨・霧・雪・砂嵐など)のとき
・ 前方車両から水・雪・土埃などの巻き上げがあるとき
・ 車両前方に水蒸気や煙などがあるとき
・ 周囲の明るさが急激に変化する場所を走行するとき(トンネルの出入り口な
ど)
・ 先行車の後端が低い位置にあるとき(低
床トレーラーなど)
・ 前方車両の最低地上高が極端に高いと
き
・ 前方車両と自車の中心がずれていると
き
194
4-5. 運転支援装置について
・ 強い光(太陽光や対向車のヘッドランプ光など)がカメラセンサーに直接あ
たっているとき
・ 薄暗いとき(朝方・夕方など)、および夜間やトンネル内
・ エンジンを始動したあと、走行を開始してしばらくのあいだ
・ 右左折中および右左折後の数秒間
・ カーブ走行中およびカーブを曲がりきってからの数秒間
・ 自車が横すべりしているとき
・ ホイールアライメントがずれているとき
・ ワイパーブレードがカメラセンサーの視界をさえぎっているとき
・ ふらつき運転をしているとき
・ 過度な高速走行をしているとき
・ 坂道を走行しているとき
・ 前方センサーの向きがずれているとき
●
例えば次のような状況では、制動力が十分に得られず、システムの性能を発揮
できないおそれがあります。
・ ブレーキ性能が十分に発揮できない場合(ブレーキ部品が極度に冷えている・
過熱している・ぬれているなど)
・ 車両の整備状態(ブレーキ部品・タイヤの摩耗や空気圧など)が良好でない
とき
・ 砂利道やすべりやすい路面を走行しているとき
・ 車両姿勢が変化しているとき
195
4-5. 運転支援装置について
4
運転
●
例えば次のような歩行者は、前方センサーが検出できず、システムが正常に作
動しないおそれがあります。
・ 身長が約 1m 以下、または約 2m 以上の歩行者
・ 合羽・ロングスカートなどを着ていて、全身の輪郭があいまいな歩行者
・ 大きな荷物を抱えていたり、傘をさしていたりして、体の一部が隠れている
歩行者
・ 前かがみになっている、またはしゃがんでいる歩行者
・ ベビーカー・車いす・自転車などを押している歩行者
・ 集団でいる歩行者
・ 白っぽい服を着ていて、極端に明るく見える歩行者
・ 夜間やトンネル内など、暗闇にいる歩行者
・ 服装の色合いや明るさなどが背景に溶け込んでいる歩行者
・ 壁際や車両・フェンス・ガードレールなどのそばにいる歩行者
・ 路面の金属物(マンホール・鉄板など)上にいる歩行者
・ 歩く速度が速い歩行者
・ 歩く速度を急激に変化させている歩行者
・ 物陰から飛び出してきた歩行者
・ 車両の側端(ドアミラーなど)すれすれの位置にいる歩行者
■
PCS 警告灯が点滅または点灯、およびマルチインフォメーションディスプレイ
に警告メッセージが表示されたとき
システムが一時的に作動しない、またはシステムに異常があるおそれがあります。
●
次のときは、状況が改善されると PCS 警告灯・警告メッセージが消え、作動可
能状態になります。
・ 炎天下などで、前方センサーや前方センサー周辺の温度が高いとき
・ 極寒の環境などで、前方センサーや前方センサー周辺の温度が低いとき
・ 前方センサーの周辺に雪や汚れなどが付着しているとき
・ カメラセンサー前部のフロントウインドウガラスが曇ったり、結露したり、
凍結したりしているとき(フロントウインドウガラスの曇りを取るには:
→ P. 244)
・ ボンネットが開いているときや、フロントウインドウガラスのカメラセン
サー付近にシールが貼り付けられているときなど、カメラセンサーの前方が
さえぎられているとき
●
状況が改善されても PCS 警告灯が点滅または点灯、および警告メッセージが表
示されたままのときは、システムに異常があるおそれがあります。トヨタ販売
店で点検を受けてください。
■
VSC を停止したとき
●
VSC の作動を停止(→ P. 220)したときは、プリクラッシュブレーキアシス
ト・プリクラッシュブレーキの作動も停止します。
●
PCS 警告灯が点灯し、マルチインフォメーションディスプレイに「VSC が Off
のためプリクラッシュブレーキも停止します」が表示されます。
196
4-5. 運転支援装置について
LDA(レーンディパーチャーアラート)
※
★
白(黄)線が整備された道路を走行中、車線からの逸脱の可能性を運転
者に警告します。
LDA は、フロントウインドウガラ
ス上部のカメラセンサーで、白(黄)
線を認識します。
機能概要
※
:車線逸脱警報
★
:グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。
197
4-5. 運転支援装置について
4
運転
◆
車線逸脱警報機能
車両が車線から逸脱する可能性
がある場合に、マルチインフォ
メーションディスプレイの表示
および、警報ブザーにより注意を
うながします。
警報ブザーが鳴ったときは、まわり
の道路状況を確認の上、ハンドルを
慎重に操作して、白(黄)線内の中
央付近にもどってください。
◆
ふらつき警報機能
車両がふらついて走行している
とき、または車線から何度もはみ
だしそうになった場合に、警報ブ
ザーおよびマルチインフォメー
ションディスプレイの表示によ
り注意をうながします。
LDA に含まれる機能
198
4-5. 運転支援装置について
警告
■
LDA をお使いになる前に
LDA を過信しないでください。LDA は自動で運転する装置でも前方への注意
を軽減する装置でもないため、運転者は常に自らの責任で周囲の状況を把握し、
ハンドル操作で進路を修正し、安全運転を心がけてください。また、長時間の
運転などによる疲労時は適切に休憩をとってください。
適切な運転操作をしなかったり、注意を怠ったりすると、思わぬ事故につなが
るおそれがあり危険です。
■
誤作動を防ぐために
LDA を使用しないときは、LDA スイッチでシステムを OFF にしてください。
■
LDA を使用してはいけない状況
次の状況では、LDA を使用しないでください。
システムが適切に作動せず、思わぬ事故につながるおそれがあり危険です。
●
応急用タイヤ・タイヤチェーンなどを装着しているとき
●
路側物に白(黄)線と見間違えるような構造物や模様があるとき(ガードレー
ル・縁石・反射ポールなど)
●
雪道を走行しているとき
●
雨・雪・霧・砂ぼこりなどで白(黄)線が見えにくいとき
●
道路の修復で、アスファルト修復跡や白(黄)線の跡などが残っているとき
●
工事によって規制された車線・仮設の車線を走行しているとき
●
工事区間を走行しているとき
■
LDA の故障、または誤作動を防ぐために
●
ヘッドランプを改造したり、ランプの表面にステッカーなどを貼ったりしない
でください。
●
サスペンションなどを改造しないでください。交換が必要な場合は、トヨタ販
売店にご相談ください。
●
ボンネットやグリルの上には、何も取り付けたり置いたりしないでください。
また、グリルガード(ブルバー・カンガルーバーなど)を取り付けたりしない
でください。
●
フロントウインドウガラスの修理が必要な場合は、トヨタ販売店にご相談くだ
さい。
199
4-5. 運転支援装置について
4
運転
LDA を ON にするには LDA スイッ
チを押す
LDA 表示灯が点灯します。
OFF にするには、再度スイッチを押し
ます。
いったん LDA を ON / OFF すると、
次回エンジンを始動したときにも、そ
のままの状態が続きます。
設定のしかた
200
4-5. 運転支援装置について
LDA 表示灯
表示灯の点灯状態で、システムの
作動状況をお知らせします。
緑色に点灯:車線逸脱監視中
黄色に点滅:車線逸脱警報中
車線逸脱警報機能表示
マルチインフォメーションディスプレイを運転支援機能情報に切りか
えると表示されます。
マルチインフォメーションディスプレイ表示
1
2
X
白線表示の内側が白いとき
X
白線表示の内側が黒いとき
システムが白(黄)線を認識してい
ることを示しています。車両が車線
から逸脱した場合、逸脱している側
の白線表示が橙色で点滅します。
システムが白(黄)線を認識できて
いない、またはシステムが一時的に
解除されていることを示していま
す。
201
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
各機能の作動条件
●
車線逸脱警報機能
次の条件をすべて満たしたとき作動します。
・ LDA を ON にしているとき
・ 車速が約 50km/h 以上のとき
・ システムが白(黄)線を認識しているとき
・ 車線の幅が約 3m 以上のとき
・ 方向指示レバーを操作していないとき
・ 直線路または半径が約 150m よりゆるいカーブを走行しているとき
・ システムの異常が検知されていないとき(→ P. 203)
●
ふらつき警報機能
次の条件をすべて満たしたとき作動します。
・ LDA を ON にしているとき
・ 車速が約 50km/h 以上のとき
・ 車線の幅が約 3m 以上のとき
・ システムの異常が検知されていないとき(→ P. 203)
■
機能の一時解除
作動条件(→ P. 201)が満たされなくなった場合、一時的に機能が解除されま
すが、ふたたび作動条件が満たされると、自動的に復帰します。
■
車線逸脱警報機能について
外部の騒音やオーディオの音などにより、警報ブザーが聞きとりにくい場合があ
ります。
■
白(黄)線が片側しかないとき
白(黄)線が認識できていない方向への車線逸脱警報は作動しません。
知識
202
4-5. 運転支援装置について
■
機能が正常に作動しないおそれのある状況
次のような状況では、カメラセンサーが白(黄)線を正しく検知できず、各機能
が正しく作動しないおそれがあります。
●
白(黄)線に平行するような影がある、または白(黄)線が影の中にあるとき
●
料金所や検札所の手前や交差点など、白(黄)線がない場所を走行するとき
●
白(黄)線がかすれている、またはキャッツアイ(道路鋲)や置き石などがあ
るとき
●
白(黄)線が砂ぼこりなどで見えない、または見えにくくなっているとき
●
雨天・雨上がり・水たまりなどぬれた路面を走行しているとき
●
車線が黄色のとき(白線にくらべて認識率が低下することがあります)
●
白(黄)線が縁石等の上に引かれているとき
●
コンクリート路のような明るい路面を走行しているとき
●
照り返しなどにより明るくなった路面を走行しているとき
●
トンネルの出入口など明るさが急変する場所を走行しているとき
●
対向車のヘッドランプ光・太陽光などがカメラに入射しているとき
●
分岐・合流路などを走行しているとき
●
坂道を走行しているとき
●
左右に傾いた道路やうねった道路を走行しているとき
●
舗装されていない道路や荒れた道路を走行しているとき
●
急カーブを走行しているとき
●
車線の幅が極端に狭いとき、または広いとき
●
重い荷物の積載やタイヤ空気圧の不足などで、車両が著しく傾いているとき
●
先行車との車間距離が極端に短くなったとき
●
走行中の路面状況(悪路・道路の継ぎ目など)により、車両が上下に大きく揺
れているとき
●
夜間にヘッドランプのレンズが汚れて照射が弱いときや、光軸がずれていると
き
●
車線変更をした直後、または交差点を通過した直後
203
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
警告メッセージ
次のメッセージがマルチインフォメーションディスプレイに表示された場合は、
対処方法に従って適切に対処してください。
その他の警告メッセージが表示されたときは、表示された画面の指示に従ってく
ださい。
警告メッセージ
警告内容・対処方法
LDA 故障
販売店で
点検してください
システムが正常に作動しなくなっているおそれ
がある
→ トヨタ販売店で点検を受けてください。
前方カメラ
一時利用不可
ガラスの汚れや曇りを
取ってください
カメラセンサーの前のフロントウインドウガラ
スの汚れ・雨滴・結露・氷雪などが付着している
→ いったん LDA を OFF にして、汚れ・雨滴・
結露・氷雪などを取り除いてから、再度 LDA
を ON にしてください。
前方カメラ
一時使用不可
しばらくお待ちください
カメラセンサーの作動条件(温度など)が満た
されていない
→ カメラセンサーの作動条件(温度など)が満
たされると、LDA は使用可能になります。
いったん LDA を OFF にして、しばらく待っ
てから、再度 LDA を ON にしてください。
LDA
現在使用できません
カメラセンサー以外のセンサーの異常によりシ
ステムが一時停止している
→ いったん LDA を OFF にして、警告メッセー
ジの内容に対処したあと、しばらくしてから
再度、LDA を ON にしてください
LDA
約 50km/h 以下で
使用できません
車速が約 50km/h 以下のため LDA が使用でき
ません
→ 約 50km/h より速い速度で走行してくださ
い。
204
4-5. 運転支援装置について
クルーズコントロール
★
アクセルペダルを踏まなくても一定の速度で走行できます。
表示灯
クルーズコントロールスイッチ
ON-OFF スイッチを押して、シ
ステムを ON にする
メーター内のクルーズコントロール表
示灯が点灯します。
OFF にするには、再度スイッチを押し
ます。
希望の速度まで加速/減速し、レ
バーを下げて速度を設定する
メーター内のセット表示灯が点灯しま
す。
レバーを離したときの速度で定速走行
できます。
機能概要
★
:グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。
1
2
速度を設定する
1
2
205
4-5. 運転支援装置について
4
運転
設定速度をかえるには、希望の速度になるまでレバーを操作します。
速度を上げる
速度を落とす
微調整:レバーを上または下に軽く操
作して手を離す
調整:希望の車速になるまでレバーを
保持する
設定速度は、次の通りに増減されます:
微調整:レバー操作するごとに約 1.6km/h
調整 :レバーを保持するあいだ
解除するには、レバーを手前に引
く
ブレーキペダルを踏んだときも解除さ
れます。
定速走行にもどすには、レバーを
上げる
レバーを上げると、もとの定速走行に
もどります。ただし、実際の速度が約
40km/h 以下になると設定速度が消去
されるため、復帰しません。
設定速度をかえる
1
2
定速走行を解除する・復帰させる
1
2
206
4-5. 運転支援装置について
■
設定条件について
●
シフトレバーが D または S の 4 レンジ以上のとき設定できます。
●
車速は約 40km/h 以上のとき設定できます。
■
車速設定後の加速について
●
通常走行と同様にアクセル操作で加速できます。加速後、設定車速にもどります。
●
クルーズコントロールを解除しなくても、希望の速度まで加速して、レバーを
下げることにより設定車速を変更することができます。
■
定速走行の自動解除
次のとき、自動的に定速走行が解除されます。
●
設定速度より実際の速度が約 16km/h 以上低下した
●
速度が約 40km/h 以下になった
●
VSC が作動した
●
トランスファースイッチを H2 と H4 のあいだで操作した
●
TRC / A-TRC が一定時間作動した
●
VSC・TRC / A-TRC を OFF にした
■
定速走行中、マルチインフォメーションディスプレイにクルーズコントロールに
関する警告メッセージが表示されたとき
ON-OFF スイッチでシステムを一度 OFF にし、再度設定してください。
設定できないとき、またはすぐに解除されるときは、システム異常のおそれがあ
ります。トヨタ販売店で点検を受けてください。
知識
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