Toyota Crown Majesta (2017 year). Manual japanese — part 16
239
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
レーダークルーズコントロールの警告メッセージ・警告ブザー
走行操作に関して注意が必要な場合や、システムに異常が発生したときには、警
告メッセージ・警告ブザーで注意をうながします。マルチインフォメーション
ディスプレイに警告メッセージが表示されたときは、表示された画面の指示に
従ってください。(→ P. 380)
■
センサーが正しく検知しないおそれのある先行車
次のような場合にシステムによる減速が不十分な場合はブレーキペダルを、加速
が必要な場合はアクセルペダルを、状況に応じて操作してください。
センサーが正しく車両を検知できず、接近警報(→ P. 233)も作動しないおそ
れがあります。
●
先行車が急に割り込んできたとき
●
先行車が低速で走行中のとき
●
同じ車線に停車中の車がいるとき
●
先行車のうしろ部分が小さすぎるとき(荷物を積んでいないトレーラーなど)
●
同じ車線を二輪車が走行中のとき
●
周囲の車より水や雪がまき散らされ、レーダーセンサーの検知のさまたげにな
る場合
240
4-5. 運転支援装置について
■
車間制御モードが正しく作動しないおそれのある状況
次の状況では、必要に応じてブレーキペダルで減速(場合によってアクセルペダ
ルを操作)してください。
センサーが正常に車両を検知できず、システムが正常に作動しないおそれがあり
ます。
●
先行車が急ブレーキをかけた場合
●
自車の車両姿勢が上向きになる場合(重い
荷物を積んだときなど)
●
先行車の車高が極端に高いとき
●
カーブや車線幅が狭い道路などを走行す
る場合
●
ハンドル操作が不安定な場合や、車線内の
自車の位置が一定でない場合
241
4
運転
4-5. 運転支援装置について
ITS Connect
★
ITS Connect は、交通情報や周辺車両の情報を受信することにより、安
全運転や快適な運転を支援するシステムです。
◆
安全運転を支援する通知・案内・注意喚起
ITS Connect は、道路に設置された DSSS
※
用路側装置や通信機を
搭載した車両と無線通信することで、見通しが悪い交差点の交通状況
などの情報を受信します。
受信した情報は、状況に応じて通知・案内や注意喚起としてマルチイ
ンフォメーションディスプレイに表示され、運転者に注意を促すこと
により安全運転を支援します。
※
DSSS(Driving Safety Support Systems)とは、運転者の認知・判断の
遅れや誤りによる交通事故を未然に防止することを目的とするシステムで、警
察庁が推進しているプロジェクトです。
◆
通信利用型レーダークルーズコントロール
先行車との通信により受信した加速/減速情報をレーダークルーズコ
ントロールの制御に利用し、よりスムーズな追従走行にに寄与するこ
とで快適な運転を支援します。詳細は P. 234 を参照してください。
ITS Connect の概要
路側装置
★
:グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。
242
4-5. 運転支援装置について
警告
■
安全にお使いいただくために
●
安全運転を行う責任は運転者にあります。常に周囲の状況を把握し、安全運転
に努めてください。
ITS Connect はあらゆる状況で安全運転の支援をするものではありません。
システムに頼ったり、安全を委ねる運転をしたりすると思わぬ事故につなが
り、重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。
●
ITS Connect は安全運転の支援を目的として設計していますが、その効果は
さまざまな条件によりかわり、常に同じ性能を発揮できるものではありませ
ん。
「システムが正常に作動しないおそれがあるとき」の項目(→ P. 248)をお
読みいただき、システムを過信せず安全運転に努めてください。
■
ITS Connect について
●
次のような状況では、ITS Connect は作動しません。
・ 交差点に DSSS 用路側装置が設置されていないとき
・ 先行車や接近してくる車両に通信機が搭載されていないとき
●
交差点に進入する方向によっては、作動する通知・案内・注意喚起が異なる場
合があります。
■
右折時注意喚起について
DSSS 用路側装置が設置された交差点であっても、DSSS 用路側装置の種類
や交差点に進入する方向によっては、対向車のみを検知し、歩行者に対する注
意喚起をしない場合があります。
そのため、注意喚起の表示内容が実際の交通状況と異なる場合があります。
「割
り込み表示による通知・案内・注意喚起」
(→ P. 244)をお読みいただき、必
ず自らの目視による安全確認を行ってください。
243
4-5. 運転支援装置について
4
運転
ITS Connect の機能が利用可能な
とき、マルチインフォメーション
ディスプレイに次のアイコンを表
示して通信の接続状態をお知らせ
します。
ITS Connect アイコンの見方
アイコン
接続状態
道路に設置された DSSS 用路側装置から必要な情報を取得でき
ている
通信機を搭載した車両から必要な情報を取得できている
道路に設置された DSSS 用路側装置、および通信機を搭載した
車両、両方から必要な情報を取得できている
244
4-5. 運転支援装置について
状況に応じて、次の通知・案内・注意喚起をマルチインフォメーション
ディスプレイに割り込み表示します
■
右折時注意喚起
交差点で右側方向指示灯を点滅させて右折待ちをしているときに、対
向車や歩行者がいるにもかかわらず発進しようとしているなど、対向
車や右折先の歩行者を見落している可能性があるとシステムが判断し
たときに、ブザーと表示で注意喚起を行います。
交差点に設置されている DSSS 用路側装置(感知器)の種類によっ
て、注意喚起の表示は次のように異なります。
・ 注意喚起の表示内容は、実際の交通状況と異なる場合があります。
・ 一定時間経過後に注意喚起が消えますが、周囲に車や人がいないこと
を示すものではありません。
■
赤信号注意喚起
赤 信 号 の 交 差 点 手 前 に さ し か
かってもアクセルペダルを踏み
続けているなど、赤信号を見落し
ている可能性があるとシステム
が判断したときに、ブザーと表示
で注意喚起を行います。
割り込み表示による通知・案内・注意喚起
X
対向車および歩行者を感知する
交差点
X
対向車のみを感知する交差点
245
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
信号待ち発進準備案内
赤信号で停車したとき、青信号に
かわるまでの待ち時間の目安を
バー表示で表します。
待 ち 時 間 が 残 り 少 な く な る と
バー表示が消え、まもなく信号が
かわることを表します。
■
緊急車両存在通知
緊急車両(救急車)がサイレンを
鳴らして近辺を走行していると
きに、ブザーが鳴り、自車に対す
る緊急車両のおおよその方向・距
離・進行方向を表示します。
緊急車両の距離と進行方向が表
示されていないときは、自車のす
ぐ近くに緊急車両がいることを
表します。
■
一時停止注意喚起
※
(ETC2.0 ユニット装着車)
一時停止の交差点手前にさしか
かってもアクセルペダルを踏み
続けているなど、一時停止を見落
している可能性があるとシステ
ムが判断したときに、ブザーと表
示で注意喚起を行います。
246
4-5. 運転支援装置について
■
前方停止車両存在案内
※
(ETC2.0 ユニット装着車)
見通しが悪いカーブの先などで、
渋滞などによって先行車両が停
止または低速で走行していると
きに、ブザーと表示でお知らせし
ます。
■
わき道車両存在案内
※
(ETC2.0 ユニット装着車)
見通しが悪い交差点のわき道に
車両がいるときに、ブザーと表示
でお知らせします。
※
一時停止注意喚起・前方停止車両存在案内・わき道車両存在案内について、正
常に作動しないおそれがある状況など、詳しくは別冊「ナビゲーションシステ
ム取扱書/ナビゲーション/地図画面を操作する/ DSSS(Driving Safety
Support Systems)運転支援機能を使用する」を参照してください。
交差点などで停車しているときに、
通信機を搭載した車両が接近して
くると、通信車両のおおよその方向
を表示します。
接近してくる方向が正面の場合は、右
側方向指示灯を点滅させているときの
み表示します。
通信車両接近通知
247
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
通信車両接近通知の使い方
●
マルチインフォメーションディスプレイで専用の通知画面を表示し
ているときに使用することができます。
ハンドルのメーター操作スイッチの<または>を押して
を
選択し、
を上または下に操作して、通知画面を表示してくだ
さい。
●
車両が停止しているときに表示が有効になります。車両が完全に停
止していないときは通知されません。
マルチインフォメーションディスプレイの
(→ P. 88)で、以下
の機能の設定を変更することができます。
※
ETC2.0 ユニット装着車のみ表示されます。
各機能の設定変更
機能
設定内容
右折時注意喚起
ON / OFF の切りかえ
表示タイミングの切りかえ
赤信号注意喚起
ON / OFF の切りかえ
表示タイミングの切りかえ
一時停止注意喚起
※
ON / OFF の切りかえ
表示タイミングの切りかえ
前方停止車両存在案内
※
ON / OFF の切りかえ
わき道車両存在案内
※
ON / OFF の切りかえ
緊急車両存在通知
ON / OFF の切りかえ
信号待ち発進準備案内
ON / OFF の切りかえ
通信利用型レーダークルーズコント
ロール
ON / OFF の切りかえ
248
4-5. 運転支援装置について
■
交差点ごとの作動する通知・案内・注意喚起について
道路に設置されている DSSS 用路側装置の種類により発信している情報が異な
るため、交差点によって作動する通知・案内・注意喚起は異なります。
■
システムが正常に作動しないおそれがあるとき
●
例えば次のような状況などでは、車両の位置や向きを正しく特定できず、シス
テムが正常に作動しないおそれがあります。
・ 高いビルや高い街路樹に囲まれているとき
・ トンネルや高架下を通過しているとき
・ ハイブリッドシステムを始動してから、しばらく走行するまでの間
●
例えば次のような状況などでは、正しく通信ができず、システムが正常に作動
しないおそれがあります。
・ 周囲に大型車が走行しているときなど、通信が遮られたとき
・ 通信を妨害する電波が発せられているとき
・ DSSS 用路側装置の向きが変わってしまっているとき
・ DSSS 用路側装置がメンテナンス中や故障しているとき
・ 他車両の通信機が故障しているとき
●
右折時注意喚起は、次のような状況などでは正常に作動しないおそれがありま
す。
・ 交差点内で一旦停止せずに右折しようとしたとき
・ 周囲の環境や天候、DSSS 用路側装置の劣化などの影響により、対向車や歩
行者の検知性能が低化しているとき
・ 対向車や歩行者が周囲の建物や別の車両に隠れているとき
・ DSSS 用路側装置の検知範囲外に対向車や歩行者がいるとき
●
赤信号注意喚起は、次のような状況などでは正常に作動しないおそれがありま
す。
・ 遅い速度で走行しているとき
・ 停車しているとき
・ DSSS 用路側装置が設置された交差点付近の側道を走行しているとき
・ DSSS 用路側装置から受信した情報が誤っているとき
●
信号待ち発進準備案内は、次のような状況などでは正常に作動しないおそれが
あります。
・ 前方の信号機が青信号、黄信号または矢印信号のとき
・ 青信号にかわるまでの待ち時間が残り少ないとき
・ 停車していないとき
・ DSSS 用路側装置から受信した情報が誤っているとき
知識
249
4-5. 運転支援装置について
4
運転
●
緊急車両存在通知は、次のような状況などでは正常に作動しないおそれがあり
ます。
・ 緊急車両と自車の距離が一定以上離れているとき
・ 緊急車両が自車から遠ざかる方向に走行しているとき
・ 立体交差付近を走行しているとき
・ 緊急車両から受信した情報が誤っているとき
●
通信車両接近通知は、次のような状況などでは正常に作動しないおそれがあり
ます。
・ 相手通信車両から受信した情報が誤っているとき
■
ITS Connect 機器に関する情報
●
本システムは、T-Engine フォーラム(www.tron.org)の T-License2.0 に基
づき T-Kernel ソースコードを利用しています。
●
本システムは ITS Connect 推進協議会が規定する相互接続性確認試験に適合
しています。
機種名:DTU-1000
型式認定番号:10003
●
本システムは周波数 760MHz の電波を発信するため、お車を海外へ持ち込んだ
場合はその国の関連法規に違反する場合があります。
■
ITS Connect に関するお問い合わせについて
ITS Connect に関するお問い合わせ(機器の調子・機能・使用方法や道路上の
通信設備の整備計画など)はトヨタ販売店にお問い合わせください。
注意
■
ITS Connect 機器取り扱いの注意
●
ITS Connect 機器は電波法および電気通信事業法の基準に適合しています。
ITS Connect 機器に貼り付けられているラベルはその証明ですのではがさな
いでください。
●
ITS Connect 機器を分解・改造すると、法律により罰せられることがありま
す。
250
4-5. 運転支援装置について
BSM(ブラインドスポットモニター)
◆
BSM メインスイッチ
押すごとに ON / OFF が切りかわります。
車両設定スイッチを押す
「走行支援」を選択し、
「BSM」を
選択する
ON になるとブラインドスポットモニ
ター表示灯が点灯します。
◆
ドアミラーインジケーター
死角領域に車両を検知したとき
は、検知した側のドアミラーイン
ジケーターが点灯します。
検知した側に方向指示レバーを
操作している場合は、ドアミラー
インジケーターが点滅します。
ブラインドスポットモニターは、運転者による車線変更時の判断を支援
するシステムです。
レーダーセンサーにより、隣の車線のドアミラーに映らない領域(死角
領域)を併走する車両を検知し、ドアミラーのインジケーターによって
車両の存在を知らせます。
1
2
251
4-5. 運転支援装置について
4
運転
死角領域となる、次の範囲に入った車両を検知します。
車両側面から外側に約 3.5m
車両側面から外側に約 0.5m は検知し
ません
車両後端から後方に約 3m
車両後端から前方に約 1m
ブラインドスポットモニターが検知できる範囲
1
2
3
252
4-5. 運転支援装置について
■
ブラインドスポットモニターの作動条件
BSM メインスイッチが ON の状態で、車速が約 16km/h 以上のとき
■
センサーが車両を検知する条件
ブラインドスポットモニターは、次のような状況で検知範囲に入った車両を検知
します。
●
隣の車線を走行する他車に自車が追い越されるとき
●
他車が車線変更中に検知範囲に進入するとき
■
センサーが検知しない条件
ブラインドスポットモニターは、次のような車両や車両以外のものを検知対象と
しません。
●
小型の二輪車・自転車・歩行者など
※
●
対向車
●
ガードレール・壁・標識・駐車車両などの静止物
※
●
同じ車線を走行する後続車
※
●
2 つ隣の車線を走行する他車
※
※
:状況によっては検知することがあります。
知識
253
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
ブラインドスポットモニターが有効に作動しないおそれがある状況
●
次のような状況では有効に検知しないおそれがあります。
・ 大雨・霧・雪などの悪天候時
・ 氷雪・泥などがリヤバンパーに付着したとき
・ 水たまりなどぬれた路面を走行するとき
・ 検知範囲に入る他車と自車の速度差が大きすぎるとき
・ 停止状態から発進した際に、検知範囲に他車が存在し続けたとき
・ 急勾配の上り・下りが連続した坂道を走行しているとき
・ 複数台の他車が狭い間隔で連続して接近するとき
・ 車線の幅が広く、隣の車線の他車が自車から離れすぎているとき
・ 検知範囲に入る他車と自車の速度がほとんど等しいとき
・ 自車線と隣車線の高さに差があるとき
・ BSM メインスイッチを ON にした直後
●
特に次のような状況では不要な検知が増えることがあります。
・ ガードレールや壁などとの距離が短い状況で、それらが検知範囲に入ったと
き
・ 後続車との車間距離が短いとき
・ 車線の幅が狭く、2 つ隣の車線を走行する他車が検知範囲に入ったとき
・ 車両後部に自転車キャリアなどのアクセサリーを装着しているとき
■
ドアミラーインジケーターの視認性について
強い日差しのもとでは、ドアミラーインジケーターが見えづらいことがありま
す。
■
システムに異常があるときは
次のような原因で異常が検知されたときは、警告表示でお知らせします。(→
382)
●
センサーが故障しているとき
●
センサーが汚れているとき
●
極めて高温または低温の環境での使用
●
電圧異常
254
4-5. 運転支援装置について
警告
■
安全にお使いいただくために
安全運転を行う責任は運転者にあります。常に周囲の状況を把握し、安全運転
に努めてください。
ブラインドスポットモニターは、死角に入った車両の存在をドライバーに提供
する、補助的なシステムです。本システムだけで安全な車線変更の可否を判断
できるものではないため、システムを過信すると思わぬ事故につながり、重大
な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。また、状況
によっては有効に機能しないことがあるため、運転者は自らの目視による安全
確認を行う必要があります。
■
レーダーセンサーの取り扱い
ブラインドスポットモニターのセンサーは、車両後部に左右ひとつずつ設置さ
れています。システムを正しく作動させるために次のことをお守りください。
●
センサー周辺のバンパーへの強い衝撃を避ける
センサーの位置がずれると、検知範囲に入った車両を検知できないなど、シ
ステムに異常が起こるおそれがあります。強い衝撃を受けた際は、必ずトヨ
タ販売店にて点検を受けてください。
●
センサーを分解しない
●
センサーやセンサー周辺のバンパーにステッカーを貼らない
●
センサーやセンサー周辺のバンパーを改造しない
●
リヤバンパーの塗装修理の際にはトヨタ設定色以外への変更は行わないでく
ださい
●
本製品は各国の電波法に適合しています。製品に貼られているシールはその証
明ですので、剥がさないでください。
製品を改造しないでください。改造すると認証番号が無効となります。
●
センサー周辺のバンパーは常にきれいに
しておく
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