Toyota Esquire (2018 year). Manual japanese — part 14
207
4-5.Toyota Safety Sense C
4
運転
警告
■
安全にお使いいただくために
●
安全運転を行う責任は運転者にあります。常に周囲の状況を把握し、安全運転
に努めてください。
プリクラッシュセーフティシステムを日常のブレーキ操作のかわりには絶対
に使用しないでください。本システムはあらゆる状況で衝突を回避または衝突
の被害を軽減するものではありません。システムに頼ったり、安全を委ねる運
転をしたりすると思わぬ事故につながり、重大な傷害におよぶか、最悪の場合
死亡につながるおそれがあります。
●
プリクラッシュセーフティシステムは衝突の回避を支援、あるいは衝突被害の
軽減に寄与することを目的として設計されていますが、その効果はさまざまな
条件によりかわり、常に同じ性能を発揮できるものではありません。
次の項目をお読みいただき、システムを過信せず安全運転に努めてください。
・ 衝突の可能性がなくてもシステムが作動するおそれがあるとき:→ P. 211
・ システムが正常に作動しないおそれがあるとき:→ P. 215
●
お客様ご自身でプリクラッシュセーフティシステムの作動テストを行わない
でください。状況によってシステムが正常に作動せず、思わぬ事故につながる
おそれがあります。
■
プリクラッシュブレーキについて
●
プリクラッシュブレーキは運転者の操作状態によっては作動しません。運転者
がアクセルペダルを強く踏んでいたり、ハンドルを操作したりしていると、場
合によっては運転者の回避操作とシステムが判断し、プリクラッシュブレーキ
が作動しない場合があります。
●
プリクラッシュブレーキ作動中に、アクセルペダルを強く踏んだり、ハンドル
を操作したりすると、場合によっては運転者の回避操作とシステムが判断し、
プリクラッシュブレーキの作動が解除されます。
●
プリクラッシュブレーキ作動時は、強いブレーキがかかります。プリクラッ
シュブレーキは車両が停止してから約 2 秒後に解除されます。必要に応じて
運転者自らブレーキをかけてください。
●
ブレーキペダルを踏んでいるときは、運転者の回避操作とシステムが判断し、
プリクラッシュブレーキの作動開始タイミングを遅らせる場合があります。
●
走行中、システムは踏切の遮断機などの前方障害物を衝突対象物と認識し、プ
リクラッシュブレーキを作動させることがあります。万一踏切内に閉じ込めら
れた場合などは、次の操作で車両を前進させ、状況に応じて安全を確保してく
ださい。
・ 車両停止後に再度アクセルペダルを踏む
・ 減速中にアクセルペダルを深く踏み込む(→ P. 211)
・ プリクラッシュセーフティシステムを OFF にする(→ P. 209)
208
4-5.Toyota Safety Sense C
警告
■
プリクラッシュセーフティシステムを OFF にするとき
次のときは、システムを OFF にしてください。
システムが正常に作動せず、思わぬ事故につながり、重大な傷害におよぶか、
最悪の場合死亡につながるおそれがあります。
●
けん引してもらうとき
●
けん引するとき
●
トラック・船舶・列車などに積載するとき
●
車両をリフトで上げ、ハイブリッドシステムを始動しタイヤを空転させるとき
●
点検でシャシーダイナモやフリーローラーなどを使用するとき
●
事故や故障で自車の走行が不安定なとき
●
オフロード走行やスポーツ走行をするとき
●
タイヤの性能を発揮できないとき(→ P. 317, 322)
●
メーカー指定のサイズ以外のタイヤを取り付けているとき
●
タイヤチェーンを装着しているとき
●
応急用タイヤ
★
やタイヤパンク応急修理キット
★
を使用しているとき
★
:グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。
209
4-5.Toyota Safety Sense C
4
運転
■
プリクラッシュセーフティシステムの ON / OFF を変更する
システ ム を OFF に する に は、
PCS スイッチを 3 秒以上押す
システムを OFF にすると、PCS 警
告灯が点灯し、マルチインフォメー
ションディスプレイにメッセージが
表示されます。
システムを ON にするには、もう一
度 PCS スイッチを押します。
ハイブリッドシステムを始動するた
び、プリクラッシュセーフティシス
テムは ON になります。
プリクラッシュセーフティシステムの設定変更
210
4-5.Toyota Safety Sense C
■
プリクラッシュセーフティシステムの警報タイミングを変更する
PCS スイッチを押すとマルチインフォメーションディスプレイに現
在の警報タイミングが表示されます。表示された状態で PCS スイッ
チを押すごとに、次のように警報タイミングが切りかわります。
いったん警報タイミングを変更すると、次回ハイブリッドシステムを始動した
ときにも、そのままの状態が続きます。
遠い
「中間」より警報タイミングが早くな
る
中間
初期設定
近い
「中間」より警報タイミングが遅くな
る
■
システムの作動条件
プリクラッシュセーフティシステムが ON で、先行車と衝突の可能性が高いと判
断したときに作動します。
各機能の作動速度は次のとおりです。
●
衝突警報
・ 自車速度約 15 ∼ 140km/h
・ 自車から見た先行車との相対速度約 15km/h 以上
●
プリクラッシュブレーキアシスト
・ 自車速度約 30 ∼ 80km/h
・ 自車から見た先行車との相対速度約 30km/h 以上
●
プリクラッシュブレーキ
・ 自車速度約 10 ∼ 80km/h
・ 自車から見た先行車との相対速度約 10km/h 以上
1
2
3
知識
211
4-5.Toyota Safety Sense C
4
運転
ただし、次のときシステムは作動しません。
●
補機バッテリー端子を脱着したあと、しばらく走行するまでのあいだ
●
シフトポジションが R のとき
■
プリクラッシュブレーキの作動解除
●
プリクラッシュブレーキ作動中に次の操作をすると、プリクラッシュブレーキ
の作動が解除されます。
・ アクセルペダルを強く踏み込む
※
・ ハンドルを大きくきる、またはすばやく操作する
※
車速が約 15 km/h 以下でアクセルペダルを強く踏み込んだ場合、誤発進操
作とシステムが判断してプリクラッシュブレーキの作動が解除されないこと
があります。
●
プリクラッシュブレーキの作動により車両が停止したときは、車両が停止して
から約 2 秒後にプリクラッシュブレーキの作動が解除されます。
■
衝突の可能性がなくてもシステムが作動するおそれがあるとき
●
例えば次のような状況では、システムが衝突の可能性があると判断し、作動す
るおそれがあります。
・ 右左折待ちの対向車とすれ違うとき
・ 右左折時に対向車とすれ違ったとき
・ 隣の車線の前方車両との位置関係がず
れる道(曲がりくねった道など)を走行
するとき
212
4-5.Toyota Safety Sense C
・ 路面にうねり・凹凸があるときなど、車両姿勢が変化しているとき
・ 道路脇が構造物に囲まれた狭い道(狭いトンネル・鉄橋など)を走行するとき
・ 先行車に急速に接近したとき
・ 車両や構造物のすぐそばを通過すると
き
・ カーブの入り口の道路脇に車両・構造物
が存在するとき
・ 路上または道路脇に反射物(マンホー
ル・鉄板など)・段差・くぼみ・突起物
があるとき
・ 道路上方に構造物(天井の低いトンネ
ル・道路標識など)がある場所を走行す
るとき
213
4-5.Toyota Safety Sense C
4
運転
・ 洗車機を使用するとき
・ 路面または壁面に車両との区別がつきにくい模様・ペイントがあるとき
・ 上り坂で進行方向の道路上方に構造物
(立体交差・道路標識・看板・街灯など)
があるとき
・ ETC ゲートや駐車場のゲートなどの開
閉バーに急速に接近したとき
・ 車両の覆い被さるような障害物(垂れ
幕・垂れ下がった枝・生い茂った草な
ど)がある場所を走行するとき
・ 前方車両から水・雪・土ぼこりなどの巻
き上げがあるとき
・ 車両前方に水蒸気や煙などがあるとき
214
4-5.Toyota Safety Sense C
・ 車両姿勢が変化しているとき
・ センサーへの強い衝撃などにより、セン
サーの向きがずれているとき
・ 前方センサーの高さに突き出た障害物
がある場所に駐停車するとき
・ フロントウインドウガラスが雨滴など
で覆われているとき
215
4-5.Toyota Safety Sense C
4
運転
■
システムが正常に作動しないおそれがあるとき
●
例えば次のような状況では、前方センサーが対象となる車両を検出できず、シ
ステムが正常に作動しないおそれがあります。
・ 前方から自車に向かって車両が近付いてくるとき
・ 前方車両が横向き、自車向きのとき
・ 先行車の後端面積が小さいとき(空荷のトラックなど)
・ 前方車両の荷台から荷物がはみ出しているとき
・ 前方車両が特殊な形状のとき(トラクター・サイドカーなど)
・ 前方車両が太陽光などを強く反射しているとき
・ 前方車両が急な動きをしたとき(急ハンドル・急加速・急減速など)
・ 自車が車線変更を行い、変更した車線の先行車に急接近したとき
・ 先行車の後端が低い位置にあるとき(低
床トレーラーなど)
・ 前方車両の最低地上高が極端に高いと
き
・ 車両が横から割り込んできたり、飛び出
してきたりしたとき
・ 前方車両と自車の中心がずれていると
き
216
4-5.Toyota Safety Sense C
・ 前方車両から水・雪・土ぼこりなどの巻き上げがあるとき
・ 水蒸気や煙などで前方車両が見えないとき
・ 周囲の明るさが急激に変化する場所を走行するとき(トンネルの出入り口な
ど)
・ カーブ走行中およびカーブを曲がりきってからしばらくの間
・ 悪天候(雨・霧・雪・砂嵐など)のとき
・ 強い光(太陽光や対向車のヘッドランプ
光など)が前方センサーに直接あたって
いるとき
・ 薄暗いとき(朝方・夕方など)、および
夜間やトンネル内
・ 自車が横すべりしているとき
217
4-5.Toyota Safety Sense C
4
運転
・ ホイールアライメントがずれているとき
・ ワイパーブレードが前方センサーの視界をさえぎっているとき
・ ふらつき運転をしているとき
・ 過度な高速走行をしているとき
・ きついカーブや起伏がある場所を走行するとき
・ 先行車がレーザー波を反射しにくい状態のとき
●
例えば次のような状況では、制動力が十分に得られず、システムの性能を発揮
できないおそれがあります。
・ ブレーキ性能が十分に発揮できない場合(ブレーキ部品が極度に冷えている・
加熱している・濡れているなど)
・ 車両の整備状態(ブレーキ部品・タイヤの摩耗や空気圧など)が良好でない
とき
・ 砂利道やすべりやすい路面を走行しているとき
・ 車両姿勢が変化しているとき
・ センサーへの強い衝撃などにより、セン
サーの向きがずれているとき
218
4-5.Toyota Safety Sense C
■
PCS 警告灯が点滅または点灯、およびマルチインフォメーションディスプレイに
警告メッセージが表示されたとき
システムが一時的に作動しない、またはシステムに異常があるおそれがありま
す。
●
次のときは、状況が改善されると PCS 警告灯・警告メッセージが消え、作動可
能状態になります。
・ 炎天下に駐車したあとなど、前方センサー周辺の温度が高いとき
・ フロントウインドウガラスが曇ったり、結露したり、凍結したりしていると
き(→ P. 256)
・ 暗闇・逆光・雪・霧など、前方センサーが周囲の状況を認識できないとき
・ 極寒の環境などで、前方センサーや前方センサー周辺の温度が低いとき
・ ボンネットが開いているときや、フロントウインドウガラスの前方センサー
付近にシールが貼り付けられているときなど、前方センサーの前方がさえぎ
られているとき
●
PCS 警告灯が点滅または点灯したままのとき、および警告メッセージが表示さ
れたままのときは、システムに異常があるおそれがあります。トヨタ販売店で
点検を受けてください。
219
4
運転
4-5.Toyota Safety Sense C
LDA(レーンディパーチャーアラート/車線逸脱警報)
白(黄)線の整備された道路を走行中、車線からの逸脱の可能性を運転
者に警告します。
LDA は、フロントウインドウガラ
ス上部の前方センサーで、白(黄)
線を認識します。
車両が車線から逸脱する可能性が
ある場合に、マルチインフォメー
ションディスプレイの表示および、
警報ブザーにより注意をうながし
ます。
警報ブザーが鳴ったときは、まわりの
道路状況を確認の上、ハンドルを慎重
に操作して、白(黄)線内の中央付近
にもどってください。
機能概要
車線逸脱警報機能
220
4-5.Toyota Safety Sense C
警告
■
LDA をお使いになる前に
LDA を過信しないでください。LDA は自動で運転する装置でも前方への注意
を軽減する装置でもないため、運転者は常に自らの責任で周囲の状況を把握し、
ハンドル操作で進路を修正し、安全運転を心がけてください。また、長時間の
運転などによる疲労時は適切に休憩をとってください。
適切な運転操作をしなかったり、注意を怠ったりすると、思わぬ事故につなが
るおそれがあり危険です。
■
誤作動を防ぐために
LDA を使用しないときは、LDA スイッチでシステムを OFF にしてください。
■
LDA の故障、または誤作動を防ぐために
●
ヘッドランプを改造したり、ランプの表面にステッカーなどを貼ったりしない
でください。
●
サスペンションなどを改造しないでください。交換が必要な場合は、トヨタ販
売店にご相談ください。
●
ボンネットやグリルの上には、何も取り付けたり置いたりしないでください。
また、グリルガード(ブルバー・カンガルーバーなど)を取り付けたりしない
でください。
221
4-5.Toyota Safety Sense C
4
運転
LDA を使用するには LDA スイッチ
を押す
メーター内の LDA 表示灯が点灯しま
す。
OFF にするには再度 LDA スイッチを
押します。
いったん LDA を ON / OFF すると、
次回ハイブリッドシステムを始動した
ときにも、そのままの状態が続きます。
設定のしかた
マルチインフォメーションディスプレイ表示
X
白線表示の内側が白いとき
X
白線表示の内側が黒いとき
システムが白(黄)線を認識してい
ることを示しています。車両が車線
から逸脱した場合、逸脱している側
の白線表示が橙色で点滅します。
システムが白(黄)線を認識でき
ていない、またはシステムが一時
的に解除されていることを示して
います。
222
4-5.Toyota Safety Sense C
■
作動条件
次の条件をすべて満たしたとき作動します。
●
LDA を ON にしているとき
●
車速が約 50km/h 以上のとき
●
システムが白(黄)線を認識しているとき
●
車線の幅が約 3m 以上のとき
●
方向指示レバーを操作していないとき
●
直線路または半径が約 150m よりゆるいカーブを走行しているとき
●
システムの異常が検知されていないとき(→ P. 360)
■
機能の一時解除
作動条件(→ P. 222)が満たされなくなった場合、一時的に機能が解除されま
すが、ふたたび作動条件が満たされると、自動的に復帰します。
■
車線逸脱警報機能について
外部の騒音やオーディオ
★
の音などにより、警報ブザーが聞きとりにくい場合が
あります。
■
白(黄)線が片側にしかないとき
白(黄)線が認識できていない方向への車線逸脱警報は作動しません。
■
炎天下に駐車したあとは
走行開始後、しばらくのあいだ LDA は作動せず、マルチインフォメーションディ
スプレイに警告メッセージが表示されることがあります。室内温度が低下し、前方
センサー周辺(→ P. 202)の温度が適温になると作動するので、いったん LDA
スイッチを OFF にして、しばらくしてから ON にしてください。
知識
★
:グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。
Нет комментариевНе стесняйтесь поделиться с нами вашим ценным мнением.
Текст