Toyota Noah (2018 year). Manual japanese — part 26
399
7-2. 緊急時の対処法
7
万一の場合には
■
補機バッテリーあがり時の始動について
この車両は、押しがけによる始動はできません。
■
補機バッテリーあがりを防ぐために
●
ハイブリッドシステムが停止しているときは、ランプやエアコンの電源を切っ
てください。
●
渋滞などで長時間止まっているときは、不必要な電装品の電源を切ってくださ
い。
■
補機バッテリーがあがってしまったときは
●
コンピューターに記憶されている情報が消去されます。補機バッテリーがあ
がったときはトヨタ販売店で点検を受けてください。
●
初期設定が必要な機能があります。(→ P. 421)
■
補機バッテリー端子をはずすときは
補機バッテリー端子をはずすと、コンピューターに記憶されている情報が消去さ
れます。補機バッテリー端子をはずすときは、トヨタ販売店にご相談ください。
■
補機バッテリーについて
→ P. 310
■
補機バッテリーの充電について
補機バッテリーの電力は、車両を使用していないあいだも、一部の電装品による
消費や自然放電のために、少しずつ消費されています。そのため、車両を長期間
放置すると、補機バッテリーがあがってハイブリッドシステムを始動できなくな
るおそれがあります。(補機バッテリーはハイブリッドシステムの作動中に自動
で充電されます)
知識
400
7-2. 緊急時の対処法
■
補機バッテリーあがり時や取りはずし時など
●
補機バッテリー脱着直後はスマートエントリー&スタートシステムによるドア
の解錠ができない場合があります。解錠できなかった場合は、ワイヤレスリモ
コン、またはメカニカルキーで解錠・施錠を実施してください。
●
補機バッテリー脱着後、最初のハイブリッドシステム始動は失敗することがあ
ります。2 回目以降のハイブリッドシステム始動は正常に動作しますので、問
題ではありません。
●
車両は常にパワースイッチの状態を記憶しています。補機バッテリーあがり時、
補機バッテリー脱着後は、バッテリーをはずす前の状態に車両は復帰します。補
機バッテリーを脱着する際は、パワースイッチを OFF にしてから行ってくださ
い。
補機バッテリーあがり前のパワースイッチの状態が不明の場合、補機バッテ
リー接続時は特に注意してください。
●
補機バッテリーを再接続したときは、ハイブリッドシステムを始動させ、ブレー
キペダルを踏み、シフトポジションがすべてのポジションに切りかえられるこ
とをシフトポジション表示灯で確認してください。
●
シフトポジションがPの状態で補機バッテリーがあがった場合は、Pから他のポ
ジションに切りかえることができない可能性があります。その場合は、前輪が
固定されているため、前輪を持ち上げないと車両の移動ができません。
(→ P. 347)
■
補機バッテリーを点検・交換するとき
次の要領で補機バッテリーのカバーを取りはずします。
補機バッテリーの点検・交換後は、必ずもとどおりにカバーを取り付けてくださ
い。
デッキボードを取りはずす(→ P. 282)
ラゲージボックス(→ P. 281)内に、補
機バッテリーのカバーが設置されていま
す。
カバーの端をつかんで、まっすぐに引き上
げる
カバーはクリップ(3 個)で固定されてい
ます。
1
カバー
2
401
7-2. 緊急時の対処法
7
万一の場合には
■
補機バッテリーを交換するとき
●
一括排気タイプの補機バッテリー(欧州規格)を使用してください。
●
交換前と同一のケースサイズ(LN2)、20 時間率容量(20HR)が同等(51Ah)
以上、かつ性能基準値(CCA)が同等(380A)以上の補機バッテリーを使用
してください。
・ ケースサイズが異なると、補機バッテリーが正しく固定されません。
・ 20 時間率容量が小さいと、車両を使用していない期間が短い期間であって
も補機バッテリーがあがって、ハイブリッドシステムの始動ができなくなる
おそれがあります。
●
交換後は、補機バッテリーの排気穴に次のものを確実に取り付けてください。
・ 排気ホースは、交換前の補機バッテリーに取り付けられているものを使用し、
車両穴部と確実に接続されていることを確認してください。
・ 排気穴栓は、交換した補機バッテリーに付属のもの、または交換前の補機バッ
テリーに取り付けられているものを使用してください。
(交換する補機バッテ
リーによっては、排気穴がふさがれたものもあります)
詳細が不明な場合や、補機バッテリーについては、トヨタ販売店にご相談くださ
い。
排気穴
排気穴栓
排気ホース
排気穴
車両穴部
1
2
3
4
5
402
7-2. 緊急時の対処法
警告
■
補機バッテリー端子をはずすときは
必ず−端子を先にはずしてください。+端子を先にはずすと、+端子が周辺の
金属部分にふれた場合、火花が発生し火災につながるおそれがあるほか、感電
し重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。
■
補機バッテリーの引火または爆発を防ぐために
補機バッテリーから発生する可燃性ガスに引火して爆発するおそれがあり危険
ですので、火や火花が発生しないよう、次のことをお守りください。
●
ブースターケーブルは正しい端子または接続箇所以外に接続しない
●
+端子に接続したブースターケーブルの先を付近のブラケットや未塗装の金
属部に接触させない
●
ブースターケーブルは+側と−側の端子を絶対に接触させない
●
補機バッテリー付近では、喫煙したりマッチやライターなどで火を起こさない
■
補機バッテリーの取り扱いについて
補機バッテリー内には有毒で腐食性のある酸性の電解液が入っており、また関
連部品には鉛または鉛の混合物を含んでいるので、取り扱いに関し、次のこと
を必ずお守りください。
●
補機バッテリーを取り扱うときは保護メガネを着用し、液(酸)が皮膚・衣
服・車体に付着しないようにする
●
必要以上、顔や頭などを補機バッテリーに近付けない
●
誤ってバッテリー液が体に付着したり目に入ったりした場合、ただちに大量の
水で洗い、すぐに医師の診察を受ける
また、医師の診察を受けるまで、水を含ませたスポンジや布を患部にあててお
く
●
誤ってバッテリー液を飲み込んだ場合、多量の水を飲んで、すぐに医師の診察
を受ける
●
補機バッテリーの支柱・ターミナル・その他の関連部品の取り扱い後は手を洗
う
●
お子さまを補機バッテリーに近付けない
403
7-2. 緊急時の対処法
7
万一の場合には
警告
■
補機バッテリーあがりの処置をしたあと
早めにトヨタ販売店で補機バッテリーの点検を受けてください。
補機バッテリーが劣化している場合、そのまま使い続けると補機バッテリーか
ら異臭ガスが発生し、乗員に健康障害をおよぼすおそれがあり危険です。
■
補機バッテリーを交換するときは
交換後は、交換した補機バッテリーの排気穴に排気ホースと排気穴栓を確実に
取り付けてください。正しく取り付けられていないと、ガス(水素)が車内に
侵入したり、引火して爆発するおそれがあり危険です。
■
補機バッテリーのマイナス端子について
ボデーに接続された補機バッテリーのマイナス端子をはずさないでください。
誤ってはずすとプラス端子と接触し、重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡
につながるおそれがあります。
注意
■
補機バッテリーを交換するときは
液栓やインジケーターがステーと近いと、バッテリー液がもれ出すおそれがあ
ります。
■
ブースターケーブルの取り扱いについて
ブースターケーブルを接続したり、取りはずすときは、冷却ファンなどに巻き
込まれないように十分注意してください。
■
救援用端子について
この車の救援用端子は、他の車から応急的に補機バッテリーを充電するための
ものです。この救援用端子を使用して、他の車のバッテリーあがりを救援しな
いでください。
404
7-2. 緊急時の対処法
オーバーヒートしたときは
■
高水温警告灯が点滅または点灯したとき
安全な場所に停車し、エアコンを OFF にしてから、ハイブリッド
システムを停止する
蒸気が出ている場合:
蒸気が出なくなったことを確認してから、注意してボンネットを開
ける
蒸気が出ていない場合:
注意してボンネットを開ける
ハイブリッドシステムが十分に冷えてから、ラジエーターコア部(放
熱部)やホースなどからの冷却水もれを点検する
ラジエーター
ファン
多量の冷却水もれがある場合は、
ただちにトヨタ販売店に連絡し
てください。
次のような場合は、オーバーヒートの可能性があります。
●
高水温警告灯(→ P. 353)が点滅または点灯したり、ハイブリッド
システムの出力が低下する(スピードが出ないなど)
●
マルチインフォメーションディスプレイに「ハイブリッドシステム
高温 出力制限中です」が表示される
●
エンジンルームから蒸気が出る
対処方法
1
2
3
1
2
405
7-2. 緊急時の対処法
7
万一の場合には
冷却水の量がリザーバータンクの “FULL”(上限)と “LOW”
(下限)のあいだにあるかを点検する
リザーバータンク
“FULL”(上限)
“LOW”(下限)
ラジエーターキャップ
冷却水が不足している場合は、
冷却水を補給する
冷却水がない場合は、応急処置とし
て水を補給してください。
ハイブリッドシステムを始動し、エアコンを作動させてラジエー
ター冷却用のファンが作動しているか、およびラジエーターコアや
ホースなどから冷却水もれがないことを再度確認する
ハイブリッドシステムが冷えた状態での始動直後は、エアコンを ON にするこ
とでファンが作動します。ファンの音や風で確認してください。わかりにくい
ときは、エアコンの ON・OFF をくり返してください。
(ただし、氷点下となる寒冷時はファンが作動しないことがあります)
ファンが作動していない場合:
すぐにハイブリッドシステムを停止し、トヨタ販売店に連絡する
ファンが作動している場合:
最寄りのトヨタ販売店で点検を受ける
4
1
2
3
4
5
6
7
406
7-2. 緊急時の対処法
■
マルチインフォメーションディスプレイに「ハイブリッドシステム高
温 出力制限中です」が表示されたとき
安全な場所に停車する
ハイブリッドシステムを停止し、注意してボンネットを開ける
ハイブリッドシステムが十分に冷えてから、ラジエーターコア部(放
熱部)やホースなどからの冷却水もれを点検する
ラジエーター
ファン
多量の冷却水もれがある場合は、
ただちにトヨタ販売店に連絡し
てください。
冷却水の量がリザーバータンクの “F”(上限)と “L”(下限)の
あいだにあるかを点検する
リザーバータンク
“F”(上限)
“L”(下限)
冷却水が不足している場合は、
冷却水を補給する
冷却水がない場合は、応急処置とし
て水を補給してください。
1
2
3
1
2
4
1
2
3
5
407
7-2. 緊急時の対処法
7
万一の場合には
ハイブリッドシステムを停止してから 5 分以上経過したあとで、ハ
イブリッドシステムを始動し、マルチインフォメーションディスプ
レイを確認する
表示が消えない場合:
ハイブリッドシステムを停止してトヨタ販売店に連絡する
表示が消えている場合:
ハイブリッドシステムの温度が低下したため、通常走行が可能です。
ただし、そのあともひんぱんに表示される場合は、トヨタ販売店に連絡してく
ださい。
警告
■
エンジンルームを点検しているとき
次のことを必ずお守りください。
お守りいただかないと、やけどなどの重大な傷害を受けるおそれがあります。
●
エンジンルームから蒸気が出ている場合は、蒸気が出なくなるまでボンネット
を開けないでください。エンジンルーム内が高温になっています。
●
ハイブリッドシステムの停止後は、READY インジケーターが消灯しているこ
とを確認してください。ハイブリッドシステムが作動していると、ガソリンエ
ンジンが自動的に動き出したり、ガソリンエンジンが停止していても、冷却
ファンが急にまわり出すことがあります。ファンなどの回転部分にふれたり、
近付いたりすると、手や着衣(特にネクタイ・スカーフ・マフラーなど)が巻
き込まれたりして、重大な傷害を受けるおそれがあり危険です。
●
ハイブリッドシステムおよびラジエーターが熱い場合は、ラジエターキャップ
および冷却水リザーバータンクのキャップを開けないでください。
高温の蒸気や冷却水が圧力によって噴き出すおそれがあります。
6
408
7-2. 緊急時の対処法
注意
■
冷却水を入れるとき
ハイブリッドシステムが十分に冷えてからゆっくり入れてください。
ハイブリッドシステムが熱いときに急に冷たい冷却水を入れると、ハイブリッ
ドシステムが損傷するおそれがあります。
■
冷却系統の故障を防ぐために
次のことをお守りください
●
異物(砂やほこりなど)を冷却水に混入させない
●
市販の冷却水添加剤を使用しない
409
7
万一の場合には
7-2. 緊急時の対処法
スタックしたときは
パーキングブレーキをかけ、シフトポジションを P にして、ハイブリッ
ドシステムを停止する
前輪周辺の土や雪などを取り除く
前輪の下に木や石などをあてがう
ハイブリッドシステムを再始動する
シフトポジションを D または R に入れ、パーキングブレーキを解除し
て注意しながらアクセルペダルを踏む
■
脱出しにくいとき
■
シフトポジションを切りかえるときは
ブレーキペダルを踏み、車が完全に停止している状態で行ってください。
リジェクト機能が働き、シフトポジションの切りかえを無効にする場合や、自動
的に N ポジションに切りかわる場合があります。
ぬかるみや砂地・雪道などでタイヤが空転したり埋まり込んで動けなく
なったときは次の方法で脱出してください。
知識
を押してTRCをOFFにしてください。
1
2
3
4
5
410
7-2. 緊急時の対処法
警告
■
脱出するとき
前進と後退をくり返してスタックから脱出する場合、他の車・ものまたは人と
の衝突を避けるため周囲に何もないことを確認してください。
スタックから脱出するとき、車が前方または後方に飛び出すおそれがあります
ので、特に注意してください。
■
シフトレバーを操作するとき
アクセルペダルを踏み込んだまま操作しないように気を付けてください。
車が急発進し、思わぬ事故につながるおそれがあり危険です。
注意
■
トランスミッションやその他の部品への損傷を避けるために
●
前輪が空転するのを避け、必要以上にアクセルペダルを踏まないでください。
●
上記の方法で脱出できなかった場合、けん引による救援が必要です。
車両情報
411
8
8-1. 仕様一覧
メンテナンスデータ
(指定燃料・オイル量
など). . . . . . . . . .412
8-2. カスタマイズ機能
ユーザーカスタマイズ
機能一覧. . . . . . . . 417
8-3. 初期設定
初期設定が必要な項目 . . ...421
412
8-1. 仕様一覧
メンテナンスデータ(指定燃料・オイル量など)
※
エタノールの混合率 10%以下または、ETBE の混合率 22%以下のガソリン
(酸素含有率 3.7%以下)を使用することができます。
※1
エンジンオイルの容量は交換する際の目安です。オイル量の確認は、エンジ
ンを暖機後にハイブリッドシステムを停止し、5 分以上経過してからレベル
ゲージで行ってください。
※2
0W-20 は上記表の指定銘柄の中では、最も省燃費性に優れるオイルです。
使用するオイルや液類の品質により、お車の寿命は著しく左右されます。
トヨタ車には、最も適したトヨタ純正オイル・液類(以下、「指定銘柄」
といいます)のご使用をおすすめします。
指定銘柄以外を使用される場合は、指定銘柄に相当する品質のものをご
使用ください。
燃料
指定燃料
容量[L](参考値)
・ 無鉛レギュラーガソリン
・ バイオ混合ガソリン(レギュラー)
※
50
エンジンオイル
指定銘柄
容量 [L](参考値
※1
)
オイルのみ
交換
オイルと
オイル
フィルター
交換
トヨタ純正キヤッスルモーターオイル
SN 0W-20
※2
API SN/RC, ILSAC GF-5, SAE 0W-20
トヨタ純正キヤッスルモーターオイル
SN 5W-30
API SN/RC, ILSAC GF-5, SAE 5W-30
3.9
4.2
413
8
8-1. 仕様一覧
車両情報
■
指定エンジンオイル
API 規格 SN/RC、SM/EC か、ILSAC 規格に合致したオイルをご使
用ください。なお、ILSAC規格合格油の缶にはILSAC CERTIFICATION
(イルサックサーティフィケーション)マークが付いています。
API マーク
ILSAC CERTIFICATION
マーク
■
エンジンオイル推奨粘度
下記図に基づき、外気温に適した粘度のものをご使用ください。
※
0W-20 は新車時に充填されており、上記図に示す中では、最も省燃費性に
優れるオイルです。
オイル粘度について(例として 0W-20 で説明します):
・ 0W-20 の 0W は、低温時のエンジン始動特性を示しています。W
の前の数値が小さいほど冬場や寒冷時のエンジン始動が容易になり
ます。
・ 0W-20 の 20 は、高温時の粘度特性を示しています。粘度の高い
(数値が大きい)オイルは、高速または重負荷走行に適しています。
1
2
414
8-1. 仕様一覧
※
交換が必要な際はトヨタ販売店にご相談ください。
■
ブレーキフルード
■
ブレーキペダル
※
ハイブリッドシステムが作動している状態で、490N(50kgf)の踏力をか
けたときの床板とのすき間の最小値
■
パーキングブレーキ
※
ノッチとは、パーキングブレーキをかけるときの節度(“ カチッ ” という音)
のことです。
ラジエーター
指定銘柄
容量[L](参考値)
トヨタ純正スーパーロングライフ
クーラント
凍結保証温度
濃度 30% − 12qC
濃度 50% − 35qC
ガソリン
エンジン
リヤエアコン
非装着車
5.7
リヤエアコン
装着車
7.5
パワーコントロールユニット
2.9
トランスミッション
指定銘柄
容量[L](参考値
※
)
トヨタ純正オートフルード WS
3.6
ブレーキ
指定銘柄
トヨタ純正ブレーキフルード 2500H-A
項目
基準値[mm]
遊び
1 ∼ 6
踏み込んだときの床板とのすき間
※
107 以上
項目
基準値(回数)
踏みしろ
操作力 300N(30.6kgf)のときのノッチ
※
数
5 ∼ 7
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