Toyota Prius (2017 year). Manual japanese — part 5
63
1-3. ハイブリッドシステム
安全・安心のために
1
◆
停車時・発進時・低速走行時
停車中はガソリンエンジンを停止
※
します。
発進時は電気モーターを使って発進します。
低速走行時や下り坂走行時もガソリンエンジンを停止
※
し、電気モー
ターを使って走行します。
シフトポジションが N にあるときは駆動用電池への充電が行われませ
ん。
※
駆動用電池の充電が必要なときやエンジン暖機中など、ガソリンエンジン
が自動停止しないことがあります。(→ P. 64)
◆
通常走行時
主にガソリンエンジンを使用して走行します。
必要に応じて電気モーターを発電機として動かし、駆動用電池へ充電
します。
◆
急加速時
アクセルペダルを強く踏み込むと、ガソリンエンジンに加え、駆動用
電池からも電気モーターに電力を供給し、電気モーターの出力を上げ、
力強く加速します。
◆
減速時・制動時(回生ブレーキ)
車輪が電気モーターを発電機として動かし、駆動用電池へ充電します。
ガソリンエンジンが停止した状態での走行時、車両の接近を周囲の人に
知らせるため、車速に応じた音階で音を鳴らします。車速が約 25km/h
をこえると消音します。スイッチ操作で消音することもできます。
消音するには、READY インジケー
ターが点灯している状態で、スイッ
チを押す
スイッチ上のインジケーターが点灯し
ます。再度スイッチを押すと ON にな
ります。ハイブリッドシステムを始動
するごとに、車両接近通報装置は ON
になります。
車両接近通報装置
64
1-3. ハイブリッドシステム
■
回生ブレーキについて
次の場合、車の運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、駆動用電池へ充電す
ると共に減速力を得ることができます。
●
シフトポジションがDまたはBで走行中に、アクセルペダルから足を離したとき
●
シフトポジションが D または B で走行中に、ブレーキペダルを踏んだとき
■
ハイブリッドシステムインジケーターについて
■
ガソリンエンジンの自動停止について
車両状態に応じて、ガソリンエンジンは自動的に始動・停止します。
ただし、次の状態では自動停止しないことがあります。
※
●
ガソリンエンジン暖機中
●
駆動用電池充電時
●
駆動用電池の温度が高いとき、または低いとき
●
暖房をかけているとき
※
状況により、上記の他にもガソリンエンジンが自動停止しない場合がありま
す。
■
駆動用電池の充電について
ガソリンエンジンの動力による充電や回生ブレーキにより、駆動用電池が充電さ
れるため、車外からの充電は必要ありません。しかし、車両を長時間放置すると、
少しずつ放電します。そのため少なくとも、2 ∼ 3ヶ月に一度、約 30 分間また
は 16km ほど運転してください。
万一、駆動用電池が完全に放電し、ハイブリッドシステムを始動できないとき
はトヨタ販売店にご連絡ください。
■
補機バッテリーの充電について
→ P. 536
知識
ハイブリッドシステムの作動状況に応じて、
インジケーターの表示が変化します。
(→ P. 108)
65
1-3. ハイブリッドシステム
安全・安心のために
1
■
補機バッテリーあがり発生後や、交換などでターミナルを脱着したとき
ガソリンエンジンの自動停止が行われないことがあります。
自動停止しない状態が 2 ∼ 3 日続く場合は、トヨタ販売店へご連絡ください。
■
ハイブリッド車特有の音と振動について
ハイブリッド車は、READY インジケーターが点灯し、走行可能な状態でも、通
常の車のように、エンジン音や振動がないことがあるため、走行可能な状態であ
ることに気が付かない場合があります。安全のため、駐車時はパーキングブレー
キをかけて、確実にシフトポジションを P にしてください。
ハイブリッドシステム始動後は、次のような音や振動が発生する場合があります
が、異常ではありません。
●
エンジンルームからのモーター音
●
ハイブリッドシステム始動時や停止時に聞こえる車両後方および駆動用電池か
らの音
●
ハイブリッドシステム始動時および停止時に車両後方から聞こえる“コトン”、
“カチッ”などの高電圧リレーの音
●
バックドアを開けたときに聞こえる作動音
●
ガソリンエンジンの始動・停止時や低速走行時、およびアイドリング中にトラ
ンスミッション付近から聞こえる音
●
急加速時のエンジン音
●
ブレーキペダルを踏んだときや、アクセルペダルをゆるめたときに聞こえる回
生ブレーキの音
●
ガソリンエンジンの始動・停止による振動
●
駆動用電池冷却用吸入口(→ P. 68)から聞こえるファンの音
66
1-3. ハイブリッドシステム
■
車両接近通報装置について
次のような場合は、周囲の人に通報音が聞こえにくくなることがあります。
●
周囲の騒音が大きい場合
●
雨または強風の場合
また、車両接近通報装置は車両前側にあるので、車両前方と比較して、車両後方
は聞こえにくくなることがあります。
■
車両接近通報一時停止スイッチ(→ P. 63)のインジケーターが点滅したとき
車両接近通報装置に異常があるおそれがあります。トヨタ販売店に連絡してくだ
さい。
■
メンテナンスや修理・廃車について
お車のメンテナンスや修理・廃車の際は必ずトヨタ販売店にご相談ください。特
に廃車する場合は、トヨタ販売店を通じて駆動用電池の回収を行っていますの
で、ご協力ください。
■
カスタマイズ機能
車両接近通報装置の通報音量などを変更することができます。
(カスタマイズ一覧:→ P. 555)
67
1-3. ハイブリッドシステム
1
安全・安心のために
ハイブリッドシステムの注意
イラストは説明のための例であり、実際とは異なります。
ハイブリッドシステムには、駆動用電池・パワーコントロールユニット・
オレンジ色の高圧ケーブル・電気モーターなどの高電圧部位(最高約
600V)や、冷却用ラジエーターなどの高温部位がありますので、ご注
意ください。なお、高電圧部位などには、取り扱い上の注意を記載した
ラベルが貼付してありますので、ラベルの指示に従って正しい取り扱い
をしてください。
ラベル
サービスプラグ
リヤ電気モーター(4WD 車)
駆動用電池
高電圧ケーブル(オレンジ色)
フロント電気モーター
パワーコントロールユニット
エアコンコンプレッサー
1
2
3
4
5
6
7
8
68
1-3. ハイブリッドシステム
リヤシートの下(運転席側)には、
駆動用電池冷却用の吸入口があり
ます。吸入口をふさいだりすると、
駆動用電池の過熱による出力低下
の原因となります。
事故により衝撃を受けたときなどは、ハイブリッドシステムを停止して
高電圧を遮断します。また、フューエルポンプ制御により燃料供給を停
止し、燃料もれを最小限に抑えます。
この場合、ハイブリッドシステムを再始動させることができなくなるた
めトヨタ販売店へご連絡ください。
ハイブリッドシステムの異常やお知らせしたい事項が発生すると自動で
表示されます。
警告メッセージは、マルチインフォ
メーションディスプレイに表示さ
れます。
表示された画面の指示に従ってくださ
い。
駆動用電池冷却用吸入口
緊急停止システム
警告メッセージ
69
1-3. ハイブリッドシステム
安全・安心のために
1
■
警告灯が点灯したときや、警告メッセージが表示されたとき、または補機バッテ
リーとの接続が断たれたとき
ハイブリッドシステムを再始動できないおそれがあります。
もう一度始動操作をしてもREADYインジケーターが点灯しない場合はトヨタ販
売店にご連絡ください。
■
ガス欠になったとき
ガス欠でハイブリッドシステムが始動できないときは、燃料残量警告灯(→P. 487)
が消灯するまで給油してから再始動してください。少量の給油では始動できない
場合があります。(給油量の目安は車両水平状態で約 7.5L です。車両の傾きに
よって給油量はかわります。傾いているときは、少し多めに給油してください)
■
電磁波について
●
高電圧部位や高電圧配線は、電磁シールド構造になっています。従来の車や家
電製品と比べて、電磁波が多いということはありません。
●
アマチュア無線の一部(遠距離通信)において、受信時に雑音が混入する場合
がありますので、あらかじめご了承ください。
■
駆動用電池について
駆動用電池には寿命があります。寿命は車の使い方、走行条件により異なります。
■
極寒の環境での始動について
外気温の影響により駆動用電池の温度が著しく低くなっている場合(およそ
− 30 ℃以下)、ハイブリッドシステムが始動できなくなることがあります。そ
の場合は気温の上昇を待つなど、駆動用電池の温度が上がってから再度始動
操作をしてください。
■
適合宣言
この車両は、ECE100(バッテリー電気車両安全)に基づいた水素排出量に適合
しています。
■
車両型式を確認するには
知識
車両に搭載されている自動車検査証(車検
証)の記載、または車両に貼り付けられてい
るプレートで、車両型式を確認できます。
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1-3. ハイブリッドシステム
警告
■
高電圧・高温について
この車は、高電圧システムを使用しています。
次のことをお守りいただかないと、やけどや感電など重大な傷害におよぶか、
最悪の場合死亡につながるおそれがあります。
●
高電圧部位・高電圧の配線(オレンジ色)およびそのコネクターの取りはず
し・分解などは絶対に行わないでください。
●
走行後はハイブリッドシステムが高温になります。車に貼ってあるラベルの指
示に従い、常に高電圧・高温部位に注意してください。
●
サービスプラグが駆動用電池に設置して
あります。サービスプラグは絶対にさわ
らないでください。サービスプラグは、
トヨタ販売店での車両の修理時などに、駆
動用電池の高電圧を遮断するためのもの
です。
71
1-3. ハイブリッドシステム
安全・安心のために
1
警告
■
事故が発生したとき
次のことをお守りいただかないと、感電など重大な傷害におよぶか、最悪の場
合死亡につながるおそれがあります。
●
続発事故防止のため安全な場所に停車して、パーキングブレーキをかけ、シフ
トポジションを P にして、ハイブリッドシステムを停止する
●
高電圧部位・高電圧配線(オレンジ色)などには、絶対にさわらない
●
車室内および車室外に、はみ出している電気配線には絶対さわらない
●
万一、車両火災が発生したときは、ABC 消火器を使用して消火する
水をかける場合は、消火栓などから大量にかけてください。
●
前輪(FF 車)または 4 輪(4WD 車)が接地した状態でけん引しない
電気モーターから発電され、破損の状態によっては、火災のおそれがあり危険
です。(→ P. 477)
●
車の下の路面などを確認し、液体のもれ(エアコンの水以外)が見つかった場
合、燃料系統が損傷している可能性があります。そのままハイブリッドシステ
ムを始動すると燃料に引火するおそれがあり危険ですので、始動しないでくだ
さい。
この場合は、トヨタ販売店に状況を連絡するときに併せてお伝えください。
X
ZVW51 モデル
※
を除く
●
液体の付着やもれがある場合は絶対にさわらない
駆動用電池の電解液(強アルカリ性)が目や皮膚にふれると失明や皮膚傷害の
おそれがあり危険です。万一、目や皮膚に付着した場合はただちに多量の水で
洗い流し、早急に医師の診察を受けてください。
※
車両型式の確認方法については、P. 69 を参照してください。
X
ZVW51 モデル
※
●
液体の付着やもれがある場合は絶対にさわらない
駆動用電池の電解液(炭酸エステルを主とする有機電解液)が目や皮膚にふれ
ると失明や皮膚傷害のおそれがあり危険です。万一、目や皮膚に付着した場合
はただちに多量の水で洗い流し、早急に医師の診察を受けてください。
●
駆動用電池の電解液がもれている場合は、車両に近付かない
万一、駆動用電池が破損しても、電池内部の構造により大量に電解液が流出す
ることはありませんが、流出すると蒸気を発生します。蒸気は目や皮膚に刺激
性があり、吸引すると急性中毒を起こすおそれがあり危険です。
●
火気や高温のものを絶対に近付けない
電解液に引火するおそれがあり危険です。
※
車両型式の確認方法については、P. 69 を参照してください。
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1-3. ハイブリッドシステム
警告
■
駆動用電池について
●
絶対に転売・譲渡・改造などをしないでください。廃車から取りはずされた駆
動用電池は事故防止のため、トヨタ販売店を通じて回収を行っていますので、
ご協力ください。
適切に回収されないと、次のようなことが起こり、重大な傷害におよぶか、最
悪の場合死亡につながるおそれがあります。
・ 不法投棄または放置され、環境汚染となるばかりか、第三者が高電圧部位
にふれてしまい、感電事故が発生する
・ 装備された車両以外で駆動用電池を使用(改造などを含む)し、感電事故、
発熱・発煙・発火・爆発事故、電解液漏出事故などが発生する
特に、転売・譲渡などを行うと、相手にこれらの危険性が認識されず、事故
につながるおそれがあります。
●
駆動用電池を取りはずさないままでお車を廃棄された場合、高電圧部品・ケー
ブル・それらのコネクターにふれると、深刻な感電の危険があります。お車を
廃棄するときには、トヨタ販売店で駆動用電池を廃棄してください。駆動用電
池は適切に廃棄しないと、感電を引き起こし、重大な傷害におよぶか、最悪の
場合死亡につながるおそれがあります。
73
1-3. ハイブリッドシステム
安全・安心のために
1
注意
■
駆動用電池冷却用の吸入口について
●
シートカバーや荷物などで、吸入口がふさがれないようにしてください。
吸入口がふさがれると駆動用電池が過熱したり、故障の原因になったりしま
す。
●
吸入口にほこりなどがたまったときは、目づまりしないよう掃除機などで清掃
してください。
●
吸入口に水や異物を入れないでください。
駆動用電池を損傷するおそれがあります。
●
駆動用電池周辺に多量の水をこぼさないよう注意してください。
誤ってこぼしてしまったときは、トヨタ販売店で点検を受けてください。
●
吸入口にはフィルターが取り付けられています。吸入口を清掃してもフィル
ターの汚れが目立つときは、フィルターの清掃・交換をお勧めします。フィル
ターの清掃・交換については、トヨタ販売店にご相談ください。
●
マルチインフォメーションディスプレイに「駆動用電池の冷却部品のメンテナ
ンス必要 取扱書を確認」が表示されたときは、吸入口やフィルターの目づま
りが考えられます。P. 434 を参考に吸入口の清掃を行ってください。
74
1-4. 盗難防止装置
イモビライザーシステム
パワースイッチを OFF にすると、シ
ステムの作動を知らせるためにイ
ンジケーターが点滅します。
登 録 さ れ た キ ー を 携 帯 し、パ ワ ー ス
イ ッチをアクセ サリーモー ドまたは
ON モードにするとシステムが解除さ
れ、インジケーターが消灯します。
■
メンテナンスについて
イモビライザーシステムのメンテナンスは不要です。
■
システムが正常に作動しないとき
●
キーが金属製のものに接したり、覆われているとき
●
キーが他の車両のセキュリティシステム用キー(信号発信機内蔵キー)と重なっ
ているときや接近しているとき
キーに信号発信機が内蔵してあり、あらかじめ登録されたキー以外では
ハイブリッドシステムを始動できません。
車両から離れる場合は、車内にキーを残さないでください。
このシステムは車両盗難の防止に寄与する機能であり、すべての車両盗
難に対する完全なセキュリティを保証するものではありません。
知識
注意
■
イモビライザーシステムを正常に作動させるために
システムの改造や取りはずしをしないでください。システムが正常に作動しな
いおそれがあります。
75
1-4. 盗難防止装置
1
安全・安心のために
オートアラーム
オートアラームとは、侵入を検知した場合に音と光で警報する機能です。
オートアラームを設定すると、次のような状況でオートアラームが作動
します。
●
施錠されたドアが、スマートエントリー&スタートシステム・ワイヤ
レスリモコン・メカニカルキーを使わずに解錠されたり、開けられた
とき
●
ボンネットが開けられたとき
ドア・ボンネットを閉め、スマート
エントリー&スタートシステム・ワ
イヤレスリモコンを使って施錠し
ます。
30 秒以上経過すると自動的に設定
されます。
オートアラームが設定されるとインジ
ケ ーターは点灯 から点滅に かわりま
す。
次のいずれかを行ってください。
●
ドアを解錠する
●
パワースイッチをアクセサリーモードまたはONモードにするか、ハイ
ブリッドシステムを始動する(数秒後に解除・停止します)
オートアラームとは
オートアラームを設定する
オートアラームの設定を解除・作動を停止する
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1-4. 盗難防止装置
■
メンテナンスについて
オートアラームシステムのメンテナンスは不要です。
■
ドアを施錠する前の確認
オートアラームの思わぬ作動、および盗難を防ぐため、次のことを必ず確認して
ください。
●
車内に人が乗っていないか
●
ドアガラスとムーンルーフ
★
が閉じているか
●
車内に貴重品などを放置していないか
■
オートアラームの作動について
次のような場合、オートアラームが作動することがあります。オートアラームの
設定を解除・作動を停止する操作を行ってください。
知識
●
車内に残った人が、ドアやボンネットを開
けたとき
●
施錠後、補機バッテリーあがりなどで充電
や交換をしたとき(→ P. 534)
★
:グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。
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1-4. 盗難防止装置
安全・安心のために
1
■
オートアラーム作動によるドアロック機能について
次のような場合、車内への不正な侵入を防止するため自動的にドアが施錠される
ことがあります。
●
ドアがキー以外で解錠されオートアラームが作動したとき
●
オートアラーム作動中にドアがキー以外で解錠されたとき
●
補機バッテリーあがりなどで充電・交換したとき
■
カスタマイズ機能
メカニカルキーを使って解錠したとき、オートアラームが作動するように設定を
変更できます。(カスタマイズ一覧:→ P. 555)
注意
■
オートアラームを正常に作動させるために
システムの改造や取りはずしをしないでください。システムが正常に作動しな
いおそれがあります。
78
1-4. 盗難防止装置
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