Toyota Prius PHV (2017 year). Instruction japanese — part 28
431
5-5. 運転支援装置について
5
運転
■
設定条件について
●
シフトポジションが D のとき設定できます。
●
車速は約 100km/h 以下で設定できます。
(ただし、先行車を検知していないときは、約 50km/h 以下では設定できませ
ん)
■
車速設定後の加速について
通常走行と同様にアクセルペダル操作で加速できます。加速後、車速が設定速度
にもどります。ただし、車間制御モード時は先行車との距離を保持するため車速
が設定速度以下になることもあります。
■
車間制御モードの自動解除
次のとき、自動的に車間制御モードが解除されます。
●
先行車がいないときに車速が約 40km/h 以下になったとき
●
車速が約 40km/h 以下で追従走行中に先行車がいなくなった、もしくはセン
サーが正しく車両を検知できなかったとき
●
VSC が作動したとき
●
TRC が一定時間作動したとき
●
TRC または VSC を OFF にしたとき
●
センサーが何かでふさがれて正しく検知できないとき
●
プリクラッシュブレーキが作動したとき
●
パーキングブレーキが作動したとき
●
急坂路で制御停車したとき
●
インテリジェントクリアランスソナー
★
が作動したとき
●
制御停車中に次を検出したとき
・ 運転席シートベルトを着用していない
・ 運転席ドアが開いた
・ 車両が停止したあと約 3 分経過した
この場合、自動で P ポジションに切りかわる場合があります。(→ P. 366)
その他の理由で車間制御モードが自動解除されるときは、システムが故障してい
る可能性があります。トヨタ販売店にご相談ください。
知識
★
:グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。
432
5-5. 運転支援装置について
■
通信利用型レーダークルーズコントロールについて
●
本機能によって、車間制御モードの速度や車間距離設定が変更されることはあ
りません。
●
先行車が通信利用型レーダークルーズコントロールに対応していないときは、
本機能は作動しません。
●
先行車や周囲の車両の走行状態によっては、スムーズな追従走行が行われない
場合や、自車の速度や先行車との車間距離に影響がおよぶ場合があります。必
要に応じてブレーキ・アクセルを操作してください。
■
通信利用型レーダークルーズコントロールが作動しないおそれがある状況
次の状況では、通信利用型レーダークルーズコントロールが作動しない、または
通信利用型レーダークルーズコントロールから車間制御モードに切りかわる場
合があります。
●
先行車との通信が途絶したとき
●
センサーが先行車を誤って検知したとき
●
トンネルやビル街などで自車、または先行車両の GPS 受信状態や車車間通信状
態が悪化しているとき
●
雪道などスリップしやすい路面を走行しているとき
●
急な坂道を走行しているとき
●
追従していた先行車が車線変更などで離脱したとき
●
通信していた先行車とのあいだに、通信利用型レーダークルーズコントロール
に対応していない車両が割りこんできたとき
■
定速制御走行の自動解除
次のとき、自動的に定速制御モードが解除されます。
●
設定速度より車速が約 16km/h 以上低下したとき
●
車速が約 40km/h 以下になったとき
●
VSC が作動したとき
●
TRC が一定時間作動したとき
●
TRC または VSC を OFF にしたとき
●
プリクラッシュブレーキが作動したとき
その他の理由で定速制御モードが自動解除されるときは、システムが故障してい
る可能性があります。トヨタ販売店にご相談ください。
433
5-5. 運転支援装置について
5
運転
■
レーダークルーズコントロールの警告メッセージ・警告ブザー
走行操作に関して注意が必要な場合や、システムに異常が発生したときには、警
告メッセージ・警告ブザーで注意をうながします。マルチインフォメーション
ディスプレイに警告メッセージが表示されたときは、表示された画面の指示に
従ってください。
■
センサーが正しく検知しないおそれのある先行車
次のような場合にシステムによる減速が不十分な場合はブレーキペダルを、加速
が必要な場合はアクセルペダルを、状況に応じて操作してください。
センサーが正しく車両を検知できず、接近警報(→ P. 426)も作動しないおそ
れがあります。
●
先行車が急に割り込んできたとき
●
先行車が低速で走行中のとき
●
同じ車線に停車中の車がいるとき
●
先行車の後部分が小さすぎるとき(荷物を積んでいないトレーラーなど)
●
同じ車線を二輪車が走行中のとき
●
周囲の車より水や雪がまき散らされ、レーダーセンサーの検知のさまたげにな
る場合
434
5-5. 運転支援装置について
■
車間制御モードが正しく作動しないおそれのある状況
次の状況では、必要に応じてブレーキペダルで減速(場合によってアクセルペダ
ルを操作)してください。
センサーが正常に車両を検知できず、システムが正常に作動しないおそれがあり
ます。
●
先行車が急ブレーキをかけた場合
●
自車の車両姿勢が上向きになる場合(重い
荷物を積んだなど)
●
先行車の車高が極端に高いとき
●
カーブや車線幅が狭い道路などを走行す
る場合
●
ハンドル操作が不安定な場合や、車線内の
自車の位置が一定でない場合
435
5
運転
5-5. 運転支援装置について
ITS Connect
★
ITS Connect は、交通情報や周辺車両の情報を受信することにより、安
全運転や快適な運転を支援するシステムです。
◆
安全運転を支援する通知・案内・注意喚起
ITS Connect は、道路に設置された DSSS
※
用路側装置や通信機を
搭載した車両と無線通信することで、見通しが悪い交差点の交通状況
などの情報を受信します。
受信した情報は、状況に応じて通知・案内や注意喚起としてマルチイ
ンフォメーションディスプレイに表示され、運転者に注意を促すこと
により安全運転を支援します。
※
DSSS(Driving Safety Support Systems)とは、運転者の認知・判断の
遅れや誤りによる交通事故を未然に防止することを目的とするシステムで、警
察庁が推進しているプロジェクトです。
◆
通信利用型レーダークルーズコントロール
先行車との通信により受信した加速/減速情報をレーダークルーズコ
ントロールの制御に利用し、よりスムーズな追従走行に寄与すること
で快適な運転を支援します。詳細は P. 427 を参照してください。
ITS Connect の概要
★
:グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。
路側装置
436
5-5. 運転支援装置について
警告
■
安全にお使いいただくために
●
安全運転を行う責任は運転者にあります。常に周囲の状況を把握し、安全運転
に努めてください。
ITS Connect はあらゆる状況で安全運転の支援をするものではありません。
システムに頼ったり、安全を委ねる運転をしたりすると思わぬ事故につなが
り、重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。
●
ITS Connect は安全運転の支援を目的として設計していますが、その効果は
さまざまな条件によりかわり、常に同じ性能を発揮できるものではありませ
ん。
「システムが正常に作動しないおそれがあるとき」 (→ P. 443)をお読みい
ただき、システムを過信せず安全運転に努めてください。
■
ITS Connect について
●
次のような状況では、ITS Connect は作動しません。
・ 交差点に DSSS 用路側装置が設置されていないとき
・ 先行車や接近してくる車両に通信機が搭載されていないとき
●
交差点に進入する方向によっては、作動する通知・案内・注意喚起が異なる場
合があります。
■
右折時注意喚起について
DSSS 用路側装置が設置された交差点であっても、DSSS 用路側装置の種類
や交差点に進入する方向によっては、対向車のみを検知し、歩行者に対する注
意喚起をしない場合があります。
そのため、注意喚起の表示内容が実際の交通状況と異なる場合があります。
「割
り込み表示による通知・案内・注意喚起」 (→ P. 438)をお読みいただき、必
ず自らの目視による安全確認を行ってください。
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5-5. 運転支援装置について
5
運転
ITS Connect の機能が利用可能な
とき、メインディスプレイに次のア
イコンを表示して通信の接続状態
をお知らせします。
ITS Connect アイコンの見方
アイコン
接続状態
道路に設置された DSSS 用路側装置から必要な情報を取得
できている
通信機を搭載した車両から必要な情報を取得できている
道路に設置された DSSS 用路側装置、および通信機を搭載
した車両、両方から必要な情報を取得できている
438
5-5. 運転支援装置について
状況に応じて、次の通知・案内・注意喚起をマルチインフォメーション
ディスプレイに割り込み表示します。
■
右折時注意喚起
交差点で右側方向指示灯を点滅させて右折待ちをしているときに、対
向車や歩行者がいるにもかかわらず発進しようとしているなど、対向
車や右折先の歩行者を見落している可能性があるとシステムが判断し
たときに、ブザーと表示で注意喚起を行います。
交差点に設置されている DSSS 用路側装置(感知器)の種類によっ
て、注意喚起の表示は次のように異なります。
割り込み表示による通知・案内・注意喚起
X
対向車および歩行者を感知する
交差点
X
対向車のみを感知する交差点
・ 注意喚起の表示内容は、実際の交通状況と異なる場合があります。
・ 一定時間経過後に注意喚起が消えますが、周囲に車や人がいないことを示す
ものではありません。
439
5-5. 運転支援装置について
5
運転
■
赤信号注意喚起
赤 信 号 の 交 差 点 手 前 に さ し か
かってもアクセルペダルを踏み
続けているなど、赤信号を見落し
ている可能性があるとシステム
が判断したときに、ブザーと表示
で注意喚起を行います。
■
信号待ち発進準備案内
赤信号で停車したとき、青信号に
かわるまでの待ち時間の目安を
バー表示で表します。
待 ち 時 間 が 残 り 少 な く な る と
バー表示が消え、まもなく信号が
かわることを表します。
■
緊急車両存在通知
緊急車両(救急車)がサイレンを
鳴らして近辺を走行していると
きに、ブザーが鳴り、自車に対す
る緊急車両のおおよその方向・距
離・進行方向を表示します。
緊急車両の距離と進行方向が表
示されていないときは、自車のす
ぐ近くに緊急車両がいることを
表します。
440
5-5. 運転支援装置について
■
一時停止注意喚起
※1
(ナビゲーションシステム
※2
& ETC2.0 ユニッ
ト装着車)
一時停止の交差点手前にさしか
かってもアクセルペダルを踏み
続けているなど、一時停止を見落
している可能性があるとシステ
ムが判断したときにブザーと表
示で注意喚起を行います。
■
前方停止車両存在案内
※1
(ナビゲーションシステム
※2
& ETC2.0 ユ
ニット装着車)
見通しが悪いカーブの先などで、
渋滞などによって先行車両が停
止または低速で走行していると
きに、ブザーと表示でお知らせし
ます。
■
わき道車両存在案内
※1
(ナビゲーションシステム
※2
& ETC2.0 ユ
ニット装着車)
見通しが悪い交差点のわき道に
車両がいるときに、ブザーと表示
でお知らせします。
※1
一時停止注意喚起・前方停止車両存在案内・わき道車両存在案内について、正
常に作動しないおそれがある状況など、詳しくは別冊「ナビゲーションシステ
ム取扱書/ナビゲーション/地図画面を操作する/ DSSS(Driving Safety
Support Systems)運転支援機能を使用する」を参照してください。
※2
メーカーオプションのナビゲーションシステムのみ
441
5-5. 運転支援装置について
5
運転
交差点などで停車しているときに、
通信機を搭載した車両が接近して
くると、通信車両のおおよその方向
を表示します。
接近してくる方向が正面の場合は、右
側方向指示灯を点滅させているときの
み表示します。
■
通信車両接近通知の使い方
●
マルチインフォメーションディスプレイで専用の通知画面を表示し
ているときに使用することができます。
ハ ン ド ル の メ ー タ ー 操 作 ス イ ッ チ の
ま た は
を 押 し て
を選択し、
または
を押して、通知画面を表示してくだ
さい。
●
車両が停止しているときに表示が有効になります。車両が完全に停
止していないときは通知されません。
赤信号により交差点で停止すると予測されるときに、ハイブリッドシス
テムインジケーターのエコアクセルガイド(→ P. 258)のゲージを 0
にし、運転者が余分な加速をし続けないように支援します。
通信車両接近通知
信号情報利用型エコアクセルガイド
442
5-5. 運転支援装置について
マルチインフォメーションディスプレイの
画面(→ P. 273)で、
次の機能の設定を変更することができます。
※
メーカーオプションのナビゲーションシステム&ETC2.0ユニット装着車のみ
表示されます。
各機能の設定変更
機能
設定内容
右折時注意喚起
ON / OFF の切りかえ
表示タイミングの切りかえ
赤信号注意喚起
ON / OFF の切りかえ
表示タイミングの切りかえ
一時停止注意喚起
※
ON / OFF の切りかえ
表示タイミングの切りかえ
前方停止車両存在案内
※
ON / OFF の切りかえ
わき道車両存在案内
※
ON / OFF の切りかえ
緊急車両存在通知
ON / OFF の切りかえ
信号待ち発進準備案内
ON / OFF の切りかえ
通信利用型レーダークルーズコントロール
ON / OFF の切りかえ
信号情報利用型エコアクセルガイド
ON / OFF の切りかえ
作動タイミングの切りかえ
443
5-5. 運転支援装置について
5
運転
■
交差点ごとの作動する通知・案内・注意喚起について
道路に設置されている DSSS 用路側装置の種類により発信している情報が異な
るため、交差点によって作動する通知・案内・注意喚起は異なります。
■
システムが正常に作動しないおそれがあるとき
●
例えば次のような状況などでは、車両の位置や向きを正しく特定できず、シス
テムが正常に作動しないおそれがあります。
・ 高いビルや高い街路樹に囲まれているとき
・ トンネルや高架下を通過しているとき
・ ハイブリッドシステムを始動してから、しばらく走行するまでのあいだ
●
例えば次のような状況などでは、正しく通信ができず、システムが正常に作動
しないおそれがあります。
・ 周囲に大型車が走行しているときなど、通信がさえぎられたとき
・ 通信を妨害する電波が発せられているとき
・ DSSS 用路側装置の向きがかわってしまっているとき
・ DSSS 用路側装置がメンテナンス中や故障しているとき
・ 他車両の通信機が故障しているとき
●
右折時注意喚起は、次のような状況などでは正常に作動しないおそれがありま
す。
・ 交差点内で一旦停止せずに右折しようとしたとき
・ 周囲の環境や天候、DSSS 用路側装置の劣化などの影響により、対向車や歩
行者の検知性能が低下しているとき
・ 対向車や歩行者が周囲の建物や別の車両に隠れているとき
・ DSSS 用路側装置の検知範囲外に対向車や歩行者がいるとき
●
赤信号注意喚起は、次のような状況などでは正常に作動しないおそれがありま
す。
・ 遅い速度で走行しているとき
・ 停車しているとき
・ DSSS 用路側装置が設置された交差点付近の側道を走行しているとき
・ DSSS 用路側装置から受信した情報が誤っているとき
●
信号待ち発進準備案内は、次のような状況などでは正常に作動しないおそれが
あります。
・ 前方の信号機が青信号、黄信号または矢印信号のとき
・ 青信号にかわるまでの待ち時間が残り少ないとき
・ 停車していないとき
・ DSSS 用路側装置から受信した情報が誤っているとき
知識
444
5-5. 運転支援装置について
●
緊急車両存在通知は、次のような状況などでは正常に作動しないおそれがあり
ます。
・ 緊急車両と自車の距離が一定以上離れているとき
・ 緊急車両が自車から遠ざかる方向に走行しているとき
・ 立体交差付近を走行しているとき
・ 緊急車両から受信した情報が誤っているとき
●
通信車両接近通知は、次のような状況などでは正常に作動しないおそれがあり
ます。
・ 相手通信車両から受信した情報が誤っているとき
●
信号情報利用型エコアクセルガイドは、次のような状況などでは正常に作動し
ないおそれがあります。
・ 前方の信号機が青信号、黄信号または矢印信号のとき
・ 遅い速度で走行しているとき
・ DSSS 用路側装置から受信した情報が誤っているとき
■
ITS Connect 機器に関する情報
●
本システムは、T-Engine フォーラム(www.tron.org)の T-License2.0 に基
づき T-Kernel ソースコードを利用しています。
●
本システムは、ITS Connect 推進協議会が規定する相互接続性確認試験に適合
しています。
機種名:DTU-1000
型式認定番号:10003
●
本システムは、周波数 760MHz の電波を発信するため、お車を海外へ持ち込ん
だ場合はその国の関連法規に違反する場合があります。
■
ITS Connect に関するお問い合わせについて
ITS Connect に関するお問い合わせ(機器の調子・機能・使用方法や道路上の
通信設備の整備計画など)はトヨタ販売店にお問い合わせください。
注意
■
ITS Connect 機器取り扱いの注意
・ ITS Connect 機器は電波法および電気通信事業法の基準に適合していま
す。ITS Connect 機器に貼り付けられているラベルはその証明ですのでは
がさないでください。
・ ITS Connect 機器を分解・改造すると、法律により罰せられることがあり
ます。
445
5
運転
5-5. 運転支援装置について
ドライブモードセレクトスイッチ
目的の走行モードに切りかわるまで、スイッチをくり返し押す
スイッチを押すたびに走行モードが切りかわり、エコドライブモード表示灯/
パワーモード表示灯の点灯状態がかわります。
ノーマルモード
通常の走行に適しています。
ノーマルモードの選択中は、エコドライブモード表示灯/パワーモード表示灯
がともに消灯します。
パワーモード
山岳路などで、アクセルレスポンスのよい、きびきびとした走りを楽
しみたいときに適しています。
パワーモードの選択中は、パワーモード表示灯が点灯します。
エコドライブモード
ノーマルモードにくらべて、アクセルペダルの踏み込みに対するトル
クの発生がゆるやかになり、燃費を向上させる走行に適しています。
エコドライブモードの選択中は、エコドライブモード表示灯が点灯します。
エアコンの使用時は、エコ空調モード(→ P. 521, 533)に自動的に切りかわ
り、より燃費のよい走行につながります。
走行状況に応じて、3 種類から走行モードを選択することができます。
走行モードについて
1
2
3
446
5-5. 運転支援装置について
■
パワーモードの自動解除
パワーモードは、パワースイッチを OFF にすると自動的に解除され、ノーマル
モードにもどります。
ノーマルモード、およびエコドライブモードは、スイッチ操作でほかの走行モー
ドに切りかえるまで解除されません。
(パワースイッチを OFF にしても自動では
解除されません)
知識
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