Toyota SAI (2017 year). Instruction japanese — part 14
207
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
ヒルスタートアシストコントロールの自動解除
次のいずれかのときシステムが解除されます。
●
シフトポジションを P または N にした
●
アクセルを踏んだ
●
パーキングブレーキをかけた
●
ブレーキペダルから足を離して約 2 秒経過した
■
緊急ブレーキシグナルの作動条件
次のときシステムが作動します。
●
非常点滅灯が点滅していないこと
●
車速 55km/h 以上
●
ブレーキペダルが踏み込まれ、車両の減速度から急ブレーキだと判断された
■
緊急ブレーキシグナルの自動解除
次のいずれかのときシステムが解除されます。
●
非常点滅灯を点滅させた
●
ブレーキペダルを離した
●
車両の減速度から急ブレーキではないと判断された
警告
■
ABS の効果を発揮できないとき
●
タイヤのグリップ性能の限界をこえたとき(雪に覆われた路面を過剰に摩耗し
たタイヤで走行するときなど)
●
雨でぬれた路面やすべりやすい路面での高速走行時に、ハイドロプレーニング
現象が発生したとき
■
ABS が作動することで、制動距離が通常よりも長くなる可能性があるとき
ABS は制動距離を短くする装置ではありません。特に次の状況では、常に速度
を控えめにして前車と安全な車間距離をとってください。
●
泥・砂利の道路や積雪路を走行しているとき
●
タイヤチェーンを装着しているとき
●
道路のつなぎ目など、段差をこえたとき
●
凹凸のある路面や石だたみなどの悪路を走行しているとき
208
4-5. 運転支援装置について
警告
■
TRC の効果を発揮できないとき
すべりやすい路面では、TRC が作動していても、車両の方向安定性や駆動力が
得られないことがあります。車両の方向安定性や駆動力を失うような状況では、
特に慎重に運転してください。
■
ヒルスタートアシストコントロールの効果を発揮できないとき
●
ヒルスタートアシストコントロールを過信しないでください。急勾配の坂や、
凍った路面ではヒルスタートアシストコントロールが効かないことがありま
す。
●
ヒルスタートアシストコントロールはパーキングブレーキのように車を長時
間駐停車するための機能ではありませんので、同機能を坂道での駐停車のため
に使用しないでください。思わぬ事故につながるおそれがあり危険です。
■
スリップ表示灯が点滅しているとき
TRC・VSC・ABS が作動中であることを知らせています。常に安全運転を心
がけてください。無謀な運転は思わぬ事故につながるおそれがあり危険です。
表示灯が点滅したら特に慎重に運転してください。
■
タイヤまたはホイールを交換するとき
4 輪とも指定されたサイズで、同じメーカー・ブランド・トレッドパターン(溝
模様)のタイヤを使用し、推奨された空気圧にしてください。(→ P. 395)
異なったタイヤを装着すると、ABS・TRC・VSC が正常に作動しません。
タイヤ、またはホイールを交換するときは、トヨタ販売店に相談してください。
■
タイヤとサスペンションの取り扱い
問題があるタイヤを使用したり、サスペンションを改造したりすると、運転を
補助するシステムに悪影響をおよぼし、システムの故障につながるおそれがあ
ります。
209
4
運転
4-5. 運転支援装置について
PCS(プリクラッシュセーフティシステム)
★
◆
衝突警告表示
衝突の可能性があると検知した
とき、“ピーピーピー”とブザー
音が鳴り、PCS 警告灯が点滅し、
マルチインフォメーションディ
スプレイに衝突警告表示を出し、
回避操作をうながします。
◆
プリクラッシュシートベルト(フロント席)
プリクラッシュセンサーにより衝突物が検知され、衝突が避けられな
いと判断したとき、衝突前にシートベルトを巻き取ります。
また、急ブレーキをかけたときや、車がコントロールを失ったときも
同様に作動します。(→ P. 29)
ただし、VSC システムが作動していないときに、横すべりした場合は
作動しません。
レーダーセンサーにより、前方の車両や障害物と衝突の可能性があると
判断したときに、警報により運転者に対して回避操作をうながし、衝突
の防止に役立ちます。前方の障害物と衝突の可能性が高い、または前方
の障害物と衝突が避けられないと検知したとき、自動的にシートベルト
やブレーキなどに働きかけ、乗員や車両への衝撃の軽減に寄与します。
★
:グレード、オプションなどにより、装着の有無があります。
210
4-5. 運転支援装置について
◆
プリクラッシュブレーキアシスト
衝突の可能性が高いときには、ブレーキペダルが踏まれる強さに反応
してブレーキ力を増強します。
◆
プリクラッシュブレーキ
前方の車両や障害物と衝突の可能性が高いときに警告灯・衝突警告表
示・ブザー音で警報を行い、さらに衝突が避けられないと判断したと
きは、ブレーキが自動でかかり、衝突速度を低減します。スイッチ操
作で、プリクラッシュブレーキの ON/OFF 切りかえができます。
プリクラッシュブレーキ ON
プリクラッシュブレーキ OFF
OFF にすると PCS 警告灯が点灯しま
す。
レーダーセンサーにより、走行中に
路上またはその付近に車や障害物
があるかどうかを検知し、そのもの
の位置や車速・進路から衝突する可
能性を事前に判断します。
プリクラッシュブレーキの切りかえ
レーダーセンサー
211
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
システムの作動条件
●
プリクラッシュシートベルトの作動条件①:
・ 車速が約 30km/h 以上
・ 緊急ブレーキや車両の横すべりを判断したとき
・ フロント席の乗員がシートベルトを着用している
●
プリクラッシュシートベルトの作動条件②:
・ 車速が約 5km/h 以上
・ 自車から見た前方の車両や障害物との接近速度が約 30km/h 以上
・ フロント席の乗員がシートベルトを着用している
●
プリクラッシュブレーキアシストの作動条件:
・ 車速が約 30km/h 以上
・ 自車から見た前方の車両や障害物との接近速度が約 30km/h 以上
・ ブレーキペダルが踏まれているとき
●
プリクラッシュブレーキの作動条件:
・ 自車速度が約 15km/h 以上
・ 自車から見た前方の車両や障害物との接近速度が約 15km/h 以上
・ プリクラッシュブレーキ OFF スイッチが押されていないとき
■
衝突の可能性がなくてもシステムが作動するとき
センサーの前方がさえぎられる次のような場合、システムが衝突の可能性がある
と判断し、作動することがあります。
●
カーブまたは右左折時に対向車とすれ違ったとき
●
車両前方の障害物(前方車両・ETC ゲートなど)に急速に接近したとき
●
上り坂を走行中など進行方向の道路上方に構造物(看板・低い天井・蛍光灯な
ど)があるとき
●
幅が狭い、または天井の低い場所(橋・トンネル・高架下など)を通過するとき
●
凹凸のある路面を走行するとき
●
路面上に金属物、段差または突起物があるとき
●
車高が極端に変化しているとき
●
センサー周辺への強い衝撃などにより、センサーの向きがずれているとき
●
カーブの入り口の道路脇に障害物(ガードレールなど)があるとき
●
自車の車両姿勢が前上がりになる場合(重い荷物を積んだときなど)
また、このとき、シートベルトがすばやく引きもどされたり、ブレーキをかけた
ときに通常よりブレーキが強くかかる場合があります。シートベルトが巻き取ら
れた状態でロックした場合は車を安全な場所に停止してシートベルトをはずし、
再度装着してください。
知識
212
4-5. 運転支援装置について
■
センサーが検知しない場合
パイロンなどのプラスチック類は検知できません。人や動物・二輪車・木・雪の
吹きだまりなどは検知しない場合があります。
■
システムの作動しない環境
プリクラッシュセーフティシステムは、想定されていない状況では有効に作動し
ない場合があります。
●
きついカーブや起伏がある場所
●
交差点などで、自車の進行方向に急な飛び出しがある状況
●
自車の進行方向に車の急な割り込みがある状況
●
雨・霧・雪・砂嵐などの悪天候の状況
●
VSC が作動していないときに車が横すべりしている状態
●
車両姿勢が極端に変化している状態
●
レーダーセンサー周辺への強い衝撃などにより、レーダーセンサーの向きがず
れているとき
●
大きくハンドルをきるなどにより、障害物が前方に突然出現したとき
■
システムの自動解除
システムの異常が検知された場合、センサーが障害物を検知できない状況(セン
サーの汚れなど)では、システムの動作が自動的に解除されます。このような場
合には、衝突の可能性があってもシステムは有効に作動しません。
■
システムに異常があるとき
警告灯や警告表示が点灯または点滅します。(→ P. 332, 337)
213
4-5. 運転支援装置について
4
運転
警告
■
安全にお使いいただくために
●
安全運転を行う責任は運転者にあります。常に周囲の状況を把握し、安全運転
に努めてください。
プリクラッシュセーフティシステムを日常のブレーキ操作の代わりには絶対
に使用しないでください。本システムはあらゆる状況で衝突を回避または軽減
するものではありません。システムに頼ったり、安全を委ねる運転をすると思
わぬ事故につながり、重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそ
れがあります。
●
本システムは衝突の回避を支援、あるいは衝突の被害を軽減することを目的と
して設計していますが、その効果は様々な条件
※
によりかわります。そのた
め、常に同じ性能が発揮できるものでありません。また、プリクラッシュブ
レーキは運転者の操作状態によっては作動しません。運転者がブレーキペダル
を踏んでいたり、ハンドルを操作していると、その操作状態によっては運転者
の回避操作と判断され、自動ブレーキが作動しない場合があります。
※
システムの作動条件(→ P. 211)、センサーが検知しない場合・システム
の作動しない環境(→ P. 212)
■
レーダーセンサーの取り扱い
プリクラッシュセーフティシステムが効果を発揮できるように次のことをお守
りください。お守りいただかないと、センサーが正しく作動せず、思わぬ事故
につながるおそれがあります。
●
センサーとグリルカバーは常にきれいにしておく
お手入れをする際は、センサーやグリルカバーを傷付けないよう、やわらかい
布を使ってください。
●
センサー周辺への強い衝撃を避ける
センサーの位置がずれると、システムに誤作動または異常が起こるおそれがあ
ります。センサー、または周辺に強い衝撃を受けた際は、必ずトヨタ販売店に
て点検を受け、調整してください。
●
センサーを分解しない
●
センサーやグリルカバー周辺にアクセサリーを付けたり、ステッカーを貼った
りしない
●
センサーやグリルカバーを改造したり塗装したりしない
●
レーダーセンサーの交換が必要な場合は、トヨタ販売店にご相談ください
●
センサーは電波法の基準に適合しています。センサーに貼り付けられているラ
ベルはその証明ですのではがさないでください。また、センサーを分解・改造
すると罰せられることがあります。
214
4-5. 運転支援装置について
警告
■
システムの支援内容に関する注意点
プリクラッシュセーフティシステムは、警報やブレーキ制御により衝突回避支
援を行うために、運転者が「見る」・「判断する」・「操作する」過程で、支援を
行います。システムの支援には限界があるため、次の点に注意してください。
システムを過信すると思わぬ事故につながり、重大な傷害におよぶか、最悪の
場合死亡につながるおそれがあります。
●
運転者が見る過程での支援内容
プリクラッシュセーフティシステムは、前方の障害物を可能な範囲で検知する
のみであり、わき見やぼんやり運転を許容するシステムでも、視界不良時の運
転を補助するシステムでもありません。運転者自らが周囲の状況に注意を払う
必要があります。
●
運転者が判断する過程での支援内容
プリクラッシュセーフティシステムは、検知しうる前方の障害物の情報のみか
ら衝突の可能性を判断するものです。安全の確保の判断は運転者自らが行う必
要があります。
●
運転者が操作する過程での支援内容
プリクラッシュセーフティシステムの制動制御は、衝突が避けられないと判断
した段階で作動するもので、運転者の適切な操作なしに衝突を回避したり、安
全に停止させるものではありません。このため、危険性があれば自らが安全を
確保する必要があります。
215
4
運転
4-5. 運転支援装置について
後方プリクラッシュセーフティシステム
★
◆
後方車両への警報(非常点滅灯)
追突の可能性があると判断したときに非常点滅灯を作動させ、後方車
両に注意をうながします。
◆
むち打ち傷害の軽減(プリクラッシュインテリジェントヘッドレスト)
後方車両が接近し、追突される可能性が非常に高いと判断したときに
フロントヘッドレスト内のセンサーにより頭部位置を検出し、追突前
にプリクラッシュインテリジェントヘッドレストを適切な位置まで移
動させ、追突された際のむち打ち傷害の軽減に貢献します。
追突を予測して、後方車両への注意喚起とむち打ち傷害の軽減に貢献す
るためのシステムです。
車両の状況
追突される
可能性が高い
追突される
可能性が非常に高い
衝突
非常点滅灯
後方車両への警報
むち打ち傷害の軽減
作動前
作動後
プリクラッシュ
インテリジェント
ヘッドレスト
★
:グレード、オプションなどにより、装着の有無があります。
216
4-5. 運転支援装置について
レーダーセンサーにより、後方から
接近するものを検知し、その位置や
速度、進路から追突する可能性を事
前に判断します。
■
システムの作動条件
パワースイッチが ON モードで、自車線内の後方車両が追突する可能性があると
きに次の条件で作動します。
●
後方車両への警報(非常点滅灯)
・ 自車から見た後方車両の接近速度が約 30 km/h 以上
・ 停止時または前進時でブレーキを踏んでいる
・ 方向指示灯や非常点滅灯が OFF
●
むち打ち傷害の軽減
・ 自車から見た後方車両の接近速度が約 15 km/h 以上
・ 停止または前進している
■
むち打ち傷害軽減システムについて
帽子をかぶっていたり、髪をうしろで束ねたりしているとき、プリクラッシュイ
ンテリジェントヘッドレストが適切な位置に停止できない場合があります。
■
センサーが検知しにくい場合
後方プリクラッシュセーフティシステムは、すべての追突を検知できるシステム
ではありません。次のときは作動しない場合がありますので、周辺への注意を怠
らないでください。
●
車両姿勢が極端に変化しているとき
●
二輪車などは検知しないことがあります
●
雨滴・氷雪がリヤバンパーに付着したとき
●
カーブや起伏の大きな道路のとき
●
斜めからの追突やオフセットの大きな追突のとき
レーダーセンサー
専用カバー
知識
217
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
追突の可能性がなくてもシステムが作動するとき
●
右左折などで停車したときなどに、自車の真うしろを後続車が通過したとき
●
道路脇に停車したときなどに、後続車が真横を通過したとき
●
走行時、後続車が近距離から追い越したとき
●
走行時または停車時、後続車が近距離まで急接近したとき
■
システムに異常があるときは
警告灯や警告表示が点灯または点滅します(→ P. 332, 337)
警告
■
レーダーセンサーと専用カバーの取り扱い
後方プリクラッシュセーフティシステム装着車の専用カバーはレーダーセン
サーの電波透過性に影響します。システムが効果を発揮できるように次のこと
をお守りください。
●
専用カバーは常にきれいにしておく
雨滴・氷雪などによって性能が低下することがあります。
●
レーダーセンサー周辺では強い衝撃を避ける
センサーの位置がずれると、システムに異常が起こるおそれがあります。セン
サーまたはその周辺に強い衝撃を受けた際は、必ずトヨタ販売店にて点検を受
け、修理してください。
●
センサーを分解しない
●
センサーは電波法の基準に適合しています。センサーに貼り付けられているラ
ベルはその証明ですのではがさないでください。また、センサーを分解・改造
すると罰せられることがあります。
●
専用カバー中央部にトーイングヒッチやバイクホルダーを付けたり、保護フィ
ルムやステッカーを貼ったりしない
●
専用カバーの改造や別のものに交換しない
●
専用カバーの塗装修理は絶対行わないでください。誤作動、不作動の原因とな
ります。
●
専用カバーが傷ついた場合、塗装修理は行わず、専用カバーを交換してくださ
い。交換については、トヨタ販売店に相談してください。
■
プリクラッシュインテリジェントヘッドレストの取り扱い
ヘッドレストカバーは付けないでください。
218
4-6. 運転のアドバイス
ハイブリッド車運転のアドバイス
◆
エコドライブモードの利用
エコドライブモードを使用すると、通常にくらべてアクセルペダルの
踏み込みに対するトルクの発生がゆるやかになります。また、エアコ
ン(暖房/冷房)の作動を抑え、燃費向上につながります。
(→ P. 162)
◆
ハイブリッドシステムインジケーターの利用
メーター内のハイブリッドシステムインジケーターの表示をエコエリ
アの範囲に保つことで、環境に配慮した走行が可能です。(→ P. 78)
◆
減速時のブレーキ操作
減速時は、早めに、ゆるやかなブレーキ操作を行いましょう。
減速時に発生する電気エネルギーをより多く回収することができま
す。
◆
渋滞
加速・減速のくり返しや、長い信号待ちは燃費を悪化させます。お出
かけ前に交通情報を確認するなどして、なるべく渋滞を回避するよう
にしましょう。また渋滞の際は、ブレーキペダルをゆるめて微前進し、
アクセルペダルをあまり踏まないようにしましょう。余分なガソリン
消費を抑えることができます。
◆
高速道路での運転
速度を抑え、一定速度で走行しましょう。また、料金所手前では早め
にアクセルペダルをもどし、ゆるやかなブレーキ操作を行いましょう。
減速時に発生する電気エネルギーをより多く回収することができま
す。
環境に配慮した経済的な運転のためには、次のことを心がけてください。
219
4-6. 運転のアドバイス
4
運転
◆
エアコンの ON / OFF
必要時以外は OFF にしましょう。余分なガソリン消費を抑えることが
できます。
夏季:
外気温が高いときは、内気循環モードに設定しましょう。エアコンへ
の負荷が減り燃費向上につながります。
冬季:
ガソリンエンジン・車室内が暖まるまで、ガソリンエンジンが自動停
止しないので、燃料を消費します。また、過剰な暖房を避けると、燃
費向上につながります。
◆
タイヤ空気圧の点検
タイヤ空気圧はこまめに点検しましょう。タイヤ空気圧が適切でない
と、燃費の悪化につながります。
また、冬用タイヤは転がり抵抗が大きいため、乾燥した路面では燃費
の悪化につながります。季節、道路状況に応じて適切なタイミングで
タイヤを交換しましょう。
◆
荷物
重い荷物が積まれていると、燃費が悪化します。不要な荷物は、積ん
だままにせずに降ろしましょう。また、大型ルーフキャリアの装着も
重い荷物と同様に燃費の悪化につながります。
◆
走行前の暖機運転
ガソリンエンジンが冷えているときは、ガソリンエンジンの始動/停
止を自動的に行いますので、暖機運転は必要ありません。
なお、短距離走行のくり返しは、暖機運転のためのガソリンエンジン
始動がひんぱんに行われることになりますので、燃費の悪化につなが
ります。
220
4-6. 運転のアドバイス
寒冷時の運転
●
次のものはそれぞれ外気温に適したものをお使いください。
・ エンジンオイル
・ 冷却水
・ ウォッシャー液
●
補機バッテリーの点検を受けてください。
●
冬用タイヤ(4 輪)やタイヤチェーン(前部タイヤ用)を使用してく
ださい。
タイヤは 4 輪とも同一サイズで同一銘柄のものを、タイヤチェーンは
タイヤサイズに合ったものを使用してください。
(タイヤについて:→ P. 291)
状況に応じて次のことを行ってください。
●
ドアやワイパーが凍結したときは無理に開けたり動かしたりせず、ぬ
るま湯をかけるなどして氷を溶かし、すぐに水分を十分にふき取って
ください。
●
フロントウインドウガラス前の外気取り入れ口に雪が積もっていると
きは、エアコンのファンを正常に作動させるために、雪を取り除いて
ください。
●
外装ランプ・車両の屋根・タイヤの周辺やブレーキ装置に雪や氷が付
いているときは、取り除いてください。
●
乗車する前に靴底に付いた雪をよく落としてください。
ゆっくりスタートし、車間距離を十分にとって控えめな速度で走行して
ください。
寒冷時に備えて、準備や点検など正しく処置していただいた上で適切に
運転してください。
冬を迎える前の準備
運転する前に
運転するとき
221
4-6. 運転のアドバイス
4
運転
パーキングブレーキをかけると、ブレーキ装置が凍結して解除できなく
なるおそれがあります。パーキングブレーキはかけずに、シフトポジショ
ンを P にして駐車し、輪止め
※
をしてください。
※
輪止めは、トヨタ販売店で購入することができます。
■
タイヤチェーンについて
取り付け・取りはずし・取り扱い方法については次の指示に従ってください。
●
安全に作業できる場所で行う
●
前 2 輪に取り付ける
●
タイヤチェーンに付属の取扱説明書に従う
●
取り付け後約 0.5 ∼ 1.0km 走行したら締め直しを行う
■
寒冷地用ワイパーブレードについて
●
降雪期に使用する寒冷地用ワイパーブレードは、雪が付着するのを防ぐために
金属部分をゴムで覆ってあります。トヨタ販売店で各車指定のブレードをお求
めください。
●
高速走行時は、通常のワイパーブレードよりガラスがふき取りにくくなること
があります。その場合には速度を落としてください。
駐車するとき
知識
警告
■
冬用タイヤ装着時の警告
次のことを必ずお守りください。
お守りいただかないと、車両のコントロールが不能となり、重大な傷害におよ
ぶか、最悪の場合死亡事故につながるおそれがあります。
●
指定サイズのタイヤを使用する
●
空気圧を推奨値に調整する
●
装着する冬用タイヤの最高許容速度や制限速度をこえる速度で走行しない
●
冬用タイヤを装着する際は、必ず 4 輪とも装着する
222
4-6. 運転のアドバイス
警告
■
タイヤチェーン装着時の警告
次のことを必ずお守りください。
お守りいただかないと、安全に車を運転することができずに、思わぬ事故につ
ながり、重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。
●
50km/h(一般路)または 30km/h(氷雪路)をこえる速度で走行しない
●
路面の凹凸や穴を避ける
●
急加速・急ハンドル・急ブレーキやシフト操作による急激なエンジンブレーキ
の使用は避ける
●
カーブの入り口手前で十分減速して、車のコントロールを失うのを防ぐ
●
LKA(レーンキーピングアシスト)
★
を使用しない
■
駐車時の警告
パーキングブレーキをかけずに駐車するときは、必ず輪止めをしてください。
輪止めをしないと、車が動き思わぬ事故につながるおそれがあり危険です。
注意
■
タイヤチェーンの使用について
トヨタ純正タイヤチェーンのご使用をおすすめします。
トヨタ純正品以外のタイヤチェーンの中には、使用すると、車体にあたり、走
行のさまたげとなるおそれがあるものもあります。
詳しくはトヨタ販売店にご相談ください。
■
ガラスに付いた氷を除去するとき(フロントウインドウガラス・フロントドア
ガラス)
たたいて割らないでください。
ガラス外側に傷がつかなくてもガラスの内側(車内側)が割れるおそれがあり
ます。
★
:グレード、オプションなどにより、装着の有無があります。
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