Toyota 86 (2017 year). Manual japanese — part 14
207
2-4. その他の走行装置の使い方
2
運転するときに
VSC モードの切りかえ
と TRACK スイッチの組み合わせによって、以下のようにモード
が切りかわります。
※ 1
:オートマチック車
※ 2
:マニュアル車
走行状態
TRC
VSC
ブレーキ LSD
機能
メーター表示
通常走行
ノーマ
ルモー
ド
ノーマルモード ノーマルモード
悪路走行
OFF
ノーマルモード ノーマルモード
スポーツ
走行
TRACK
モード
TRACK モード TRACK モード
OFF
OFF
TRACK
モード
※ 1
OFF
※ 2
208
2-4. その他の走行装置の使い方
知識
■
ABS・ブレーキアシスト・TRC・VSC の作動音と振動
●
エンジン始動時や発進直後、ブレーキペダルをくり返し踏んだときに、エン
ジンルームから作動音が聞こえることがありますが、異常ではありません。
●
上記のシステムが作動すると、次のような現象が発生することがあります
が、異常ではありません。
・ 車体やハンドルに振動を感じる
・ 車両停止後もモーター音が聞こえる
・ ABS の作動時に、ブレーキペダルが小刻みに動く
・ ABS の作動終了後、ブレーキペダルが少し奥に入る
■
EPS モーターの作動音
ハンドル操作を行ったとき、モーターの音 (“ウィーン”という音 ) が聞こえる
ことがありますが、異常ではありません。
■
TRC や VSC の自動復帰について
TRC や VSC を作動停止にしたあと、以下のときはシステム作動可能状態に戻
ります。
●
スマートエントリー&スタートシステム非装着車:エンジンスイッチを
“LOCK”にしたとき
●
スマートエントリー&スタートシステム装着車:
“エンジン スタート ストッ
プ”スイッチを OFF にしたとき
●
(TRC のみを作動停止にしている場合)車速が 50km/h をこえたとき
但し、TRC と VSC の作動を停止している場合は、車速による自動復帰はあ
りません。
209
2-4. その他の走行装置の使い方
2
運転するときに
■
EPS の効果が下がるとき
停車中か極低速走行中に長時間ハンドルをまわし続けると、EPS システムの
オーバーヒートを避けるため、EPS の効果が下がりハンドルが重く感じられる
ようになります。その場合は、ハンドル操作を控えるか、停車し、エンジンを
停止してください。しばらくするともとの状態にもどります。
■
TRACK モードの自動解除
スマートエントリー&スタートシステム非装着車
TRACK モードを選択して走行後エンジンスイッチを“LOCK”にすると、自動
でノーマルモードにもどります。
スマートエントリー&スタートシステム装着車
TRACK モードを選択して走行後“エンジンスタートストップ”スイッチを OFF
にすると、自動でノーマルモードにもどります。
■
緊急ブレーキシグナルの作動条件
次のときシステムが作動します。
●
非常点滅灯が点滅していないこと
●
車速 60 km/h 以上
●
ブレーキペダルが踏み込まれ、車両の減速度から急ブレーキだと判断された
■
緊急ブレーキシグナルの自動解除
次のいずれかのときシステムが解除されます。
●
非常点滅灯を点滅させた
●
ブレーキペダルを離した
●
車両の減速度から急ブレーキではないと判断された
■
販売店で設定可能な機能
緊急ブレーキシグナルの作動/非作動を変更できます。
(カスタマイズ一覧 oP. 396)
210
2-4. その他の走行装置の使い方
警告
■
ABS の効果を発揮できないとき
●
タイヤのグリップ性能の限界をこえたとき(雪に覆われた路面を過剰に摩耗し
たタイヤで走行するときなど)
●
雨でぬれた路面や、マンホールのフタなどすべりやすい路面での高速走行時に、ハ
イドロプレーニング現象
※
が発生したとき
※
水のたまった道路を高速で走行すると、タイヤと路面のあいだに水が入り込
み、タイヤが路面から浮いてしまい、ハンドルやブレーキが効かなくなる現象。
■
ABS が作動することで、制動距離が通常よりも長くなるとき
ABS は制動距離を短くする装置ではありません。以下の状況では、常に速度を
控えめにして前車と安全な車間距離をとってください。
●
泥・砂利の道路や積雪路を走行しているとき
●
タイヤチェーンを装着しているとき
●
道路のつなぎ目など、段差をこえたとき
●
凹凸のある路面や石だたみなどの悪路を走行しているとき
■
TRC の効果を発揮できないとき
すべりやすい路面では、TRC が作動していても、車両の方向安定性や駆動力が
得られないことがあります。車両の方向安定性や駆動力を失うような状況では、
とくに慎重に運転してください。
211
2-4. その他の走行装置の使い方
2
運転するときに
警告
■
スリップ表示灯が点滅しているときは
VSC、TRC およびブレーキ LSD 機能が作動中であることを知らせています。
常に安全運転を心がけてください。無謀な運転は思わぬ事故につながるおそれ
があり危険です。表示灯が点滅したらとくに慎重に運転してください。
■
TRC や VSC を OFF にするときは
TRC や VSC は駆動力や車両の方向安定性を確保しようとするシステムです。
そのため、必要なとき以外は TRC・VSC を作動停止状態にしないでください。
TRC や VSC を作動停止状態にしたときは、路面状況に応じた速度で、とくに
慎重な運転を心がけてください。
■
タイヤまたはホイールを交換するときは
4 輪とも指定されたサイズで、同じメーカー・ブランド・トレッドパターン(溝
模様)のタイヤを使用し、推奨された空気圧にしてください。(oP. 394)
異なったタイヤを装着すると、ABS・VSC・TRC が正常に作動しません。
タイヤ・またはホイールを交換するときは、トヨタ販売店に相談してください。
■
タイヤとサスペンションの取り扱い
問題があるタイヤを使用したり、サスペンションを改造したりすると、運転を
補助するシステムに悪影響をおよぼし、システムの故障につながるおそれがあ
ります。
212
2-4. その他の走行装置の使い方
ヒルスタートアシストコントロール
上り坂での前進時および下り坂での後退時に、ブレーキペダルから足
を離しても一時的に制動力を保持し、発進操作を補助します。
初期設定は機能が OFF になっています。作動させるには機能を ON
にしてください。次回エンジンを始動したときにも、ON/OFF の設
定は継続します。
ヒ ルスタ ート アシ スト コン ト
ロールを設定するとヒルスター
トアシストコントロール作動表
示灯が点灯します。ヒルスター
トアシストコントロールが作動
している場合は、点滅します。
■ ヒルスタートアシストコントロールの機能をONにするには
車両を安全で平坦な場所に停車させる。
パーキングブレーキが確実にかかっていることを確認する。
エンジンスイッチを“LOCK”
(スマートエントリー & スター
トシステム装着車以外)または“エンジン スタート ストップ”
スイッチを OFF(スマートエントリー & スタートシステム装
着車)にしてエンジンを停止する。
エンジンを始動し、ABS &ブレーキアシスト警告灯とスリッ
プ表示灯が消灯していることを確認する。
手順
1
手順
2
手順
3
213
2-4. その他の走行装置の使い方
2
運転するときに
を長押しする。(約 30 秒)
TRC OFF 表示灯と VSC OFF 表示
灯が点灯し、その後消灯することを
確認する。
消灯後、5 秒以内に
を離し、2 秒以内に再度
を押す。
ヒルスタートアシストコントロール作動表示灯が点灯し、その後消灯す
る。
エンジンスイッチを“LOCK”
(スマートエントリー & スター
トシステム装着車以外)または“エンジン スタート ストップ”
スイッチを OFF(スマートエントリー & スタートシステム装
着車)にする。再度エンジンを始動し、ヒルスタートアシス
トコントロール作動表示灯が点灯していることを確認する。
ヒルスタートアシストコントロール機能が ON になります。
ヒルスタートアシストコントロール機能を OFF する場合は、上記
から
を行ってください。
手順
4
手順
5
手順
6
手順
1
手順
6
214
2-4. その他の走行装置の使い方
知識
■
ヒルスタートアシストコントロール設定時の留意事項
●
ヒルスタートアシストコントロール作動表示灯が点灯しない場合や途中で
操作を間違えた時は、一度エンジンスイッチを“LOCK”(スマートエント
リー & スタートシステム装着車以外)または“エンジン スタート ストップ”
スイッチを OFF(スマートエントリー & スタートシステム装着車)にして、
からやり直してください。
●
を 30 秒以上押し続けると TRC OFF 表示灯と VSC OFF 表示灯が消
灯し、以後の操作を受け付けなくなります。この場合、VSC はノーマルモー
ドで作動します。( → P. 207) 一度エンジンスイッチを“ACC”または
“LOCK”
(スマートエントリー & スタートシステム装着車以外)、または“エ
ンジン スタート ストップ”スイッチをアクセサリーモードまたは OFF(ス
マートエントリー & スタートシステム装着車)にし、再度エンジンを始動す
れば
の操作が有効になります。
手順
4
215
2-4. その他の走行装置の使い方
2
運転するときに
■
ヒルスタートアシストコントロールの作動条件
次のときシステムが作動します。
●
オートマチック車:上り坂での前進時にシフトレバーの位置が D または M の
とき、または下り坂での後退時にシフトレバーの位置が R のとき
●
マニュアル車:上り坂での前進時にシフトレバーの位置が R 以外のとき、ま
たは下り坂での後退時にシフトレバーの位置が R のとき
●
車両停止状態のとき
●
アクセルペダルを踏んでいないとき
●
パーキングブレーキがかかっていないとき
■
ヒルスタートアシストコントロールが作動しないとき
次のときシステムは作動しません。
●
オートマチック車:上り坂での前進時にシフトレバーの位置が D または M 以
外のとき、または下り坂での後退時にシフトレバーの位置が R 以外のとき
●
マニュアル車:上り坂での前進時にシフトレバーの位置を R にしたとき、ま
たは下り坂での後退時にシフトレバーの位置を R 以外にしたとき
●
オートマチック車:アクセルペダルを踏んだとき
●
マニュアル車:クラッチがつながったとき
●
パーキングブレーキをかけたとき
●
ブレーキペダルから足を離して約2秒経過したとき
●
ヒルスタートアシストコントロール作動表示灯が消えているとき。
●
スマートエントリー & スタートシステム装着車以外:エンジンスイッチを
“ACC”または“LOCK”にしたとき
●
スマートエントリー& スタートシステム装着車:
“エンジン スタート ストッ
プ”スイッチをアクセサリーモードまたは OFF にしたとき
216
2-4. その他の走行装置の使い方
■
ヒルスタートアシストコントロールについて
●
シフトレバーを R に入れて後退した後に前進する場合、わずかに衝撃を感じ
ることがあります。
●
ヒルスタートアシストコントロールのブレーキ力が不充分なときは、再度ブ
レーキペダルを踏んでください。
●
停車中はブレーキペダルを確実に踏んでください。
■
システムの故障について
次の場合はシステムが故障しているおそれがあります。トヨタ販売店で点検を
受けてください。
●
スリップ表示灯が点灯したとき
●
ヒルスタートアシストコントロール作動表示灯が消灯してブザーが鳴った
とき
警告
■
ヒルスタートアシストコントロールについて
●
ヒルスタートアシストコントロールを過信しないでください。急勾配の坂や
凍った路面では、ヒルスタートアシストコントロールが効かないことがありま
す。
●
ヒルスタートアシストコントロールはパーキングブレーキのように車を長時
間駐停車するための機能ではありませんので、同機能を坂道での駐停車のため
に使用しないでください。思わぬ事故につながるおそれがあり危険です。
●
ヒルスタートアシストコントロール作動中に、エンジンを停止しないでくださ
い。ヒルスタートアシストコントロールが解除され、思わぬ事故につながるお
それがあり危険です。
217
2
運転するときに
2-5. 様々な状況での運転
荷物を積むときの注意
警告
■
積んではいけないもの
次のようなものを積むと引火するおそれがあり危険です。
●
燃料がはいった容器
●
スプレー缶
安全で快適なドライブをするために、荷物を積むときは次のことをお
守りください。
● できるだけ荷物はトランクに積む
● 荷物が安全な位置に置かれているか確認する
● 走行中のバランスを維持するために重さが偏らないように積む
● 燃費が悪化しないようにするために、不要な荷物は積まないよう
にする
218
2-5. 様々な状況での運転
警告
■
荷物を積むときは
次の警告をお守りください。お守りいただかないと思わぬ事故につながるおそ
れがあり危険です。
●
できるだけ荷物はトランクに積んでください。
●
次の場所には荷物を積まないでください。
お守りいただかないと、クラッチペダル・ブレーキペダル・アクセルペダルを
正しく操作できなかったり、荷物が視界をさえぎったり、荷物が乗員に衝突し
たりして、思わぬ事故につながるおそれがあり危険です。
・ 運転席足元
・ 助手席やリヤ席(荷物を積み重ねる場合)
・ パッケージトレイ
・ インストルメントパネル
・ ダッシュボード
●
室内に積んだ荷物はすべてしっかりと安定させてください。
安定していないと、急ブレーキや事故の際に投げ出され、乗員を傷付けるおそ
れがあります。
●
後席のシート背もたれを折りたたんで荷物を積むときは、荷物を積み重ねない
でください。
急ブレーキや事故の際に、投げ出され、乗員を傷付けるおそれがあります。
●
後席のシート背もたれを折りたたんで、寸法が長い荷物を積むときは、できる
だけ前席シート背もたれの真うしろには積まないでください。
●
トランクに人を乗せないでください。乗員用には設計されていません。乗員
は、適切にシートベルトを着用させ、座席に座らせてください。
お守りいただかないと、急ブレーキや衝突の際に、重大な傷害におよぶか、最
悪の場合死亡につながるおそれがあります。
219
2-5. 様々な状況での運転
2
運転するときに
警告
■
荷物の重量・荷重のかけ方について
●
荷物を積み過ぎないでください。
●
荷重を不均等にかけないようにしてください。
これはタイヤに負担をかけるだけでなく、ハンドル操作性やブレーキ制御の低
下により思わぬ事故につながり、重大な傷害におよぶか、最悪の場合死亡につ
ながるおそれがあります。
220
2-5. 様々な状況での運転
寒冷時の運転
寒冷時に備えて、準備や点検など正しく処置していただいたうえで適
切に運転してください。
■ 冬の前の準備
● 次のものはそれぞれ外気温に適したものをお使いください。
・ エンジンオイル
・ ウォッシャー液
● バッテリーの点検を受けてください。
● 冬用タイヤ(4 輪)やタイヤチェーン(後部タイヤ用)を使用し
てください。
4 輪とも必ず、指定サイズ・同一サイズ・同一メーカー・同一銘
柄および同一トレッドパターン(溝模様)のタイヤを装着し、タ
イヤチェーンはタイヤサイズに合ったものを使用してください。
(タイヤについて oP. 275)
■ 運転する前に
状況に応じて次のことを行ってください。
● ドアやワイパーが凍結したときは無理に開けたり動かしたりせ
ず、ぬるま湯をかけるなどして氷を溶かし、すぐに水分を十分に
ふき取ってください。
● フロントウインドウガラス前の外気取り入れ口に雪が積もって
いるときは、エアコンのファンを正常に作動させるために、雪を
取り除いてください。
● 外装ランプや車両の屋根に雪や氷が付いているときは、取り除い
てください。
● 雪道を走行したり、吹雪の中で駐車したときは、足まわりに雪や
氷が凍結し、ハンドルの切れやブレーキの効きが悪くなることが
あります。付着している雪や氷を取り除いてください。
● 乗車する前に靴底についた雪をよく落としてください。
221
2-5. 様々な状況での運転
2
運転するときに
● ドアガラスが凍結した状態でドア開閉を行うと、安全装置が作動
し、ドア連動ガラス開閉機能が正常に作動しなくなる場合があり
ます。その場合は、氷を溶かした後に、以下の作業を行ってくだ
さい。
ドアガラスを半分程度の位置まで下げる
ドアを閉めた状態でパワーウインドウスイッチを「自動全閉」
の位置で引き続け、ドアガラスが閉まったあとも、スイッチ
を 1 秒以上引き続ける
ガラス位置の再設定が行われ、安全装置作動状態が解除されます。
■ 運転するときは
ゆっくりスタートし、車間距離を十分にとって控えめな速度で走行
してください。
■ 駐車するときは
● パーキングブレーキをかけると、ブレーキ装置が凍結して解除で
きなくなるおそれがあります。パーキングブレーキはかけずに、
シフトレバーをオートマチック車は P、マニュアル車は下り坂で
は R、上り坂では 1 速に入れて駐車し、必ず輪止め
※ 1
をして
ください。
輪止めをしないと、車が動き思わぬ事故につながるおそれがあり
危険です。
● オートマチック車: パーキングブレーキをかけずに駐車するときは、
シフトレバーを P に入れた状態でシフトレバーが動かないこと
※ 2
を確認してください。
※ 1
輪止めは、トヨタ販売店で購入することができます。
※ 2
ブレーキペダルを踏まないで P からシフトするときにロックがかかりま
す。シフトできる場合は、シフトロックシステムなどの故障が考えられ
ます。ただちにトヨタ販売店で点検を受けてください。
手順
1
手順
2
222
2-5. 様々な状況での運転
知識
■
タイヤチェーンについて
取り付け・取りはずし・取り扱い方法については次の指示に従ってください。
●
安全に作業できる場所で行う
●
後 2 輪に取り付ける
●
タイヤチェーンに付属の取扱説明書に従う
●
取り付け後、約 100 m 走行したら締め直しを行う
■
寒冷地用ワイパーブレードについて
●
降雪期に使用する寒冷地用ワイパーブレードは、雪が付着するのを防ぐため
に金属部分をゴムで覆ってあります。トヨタ販売店で各車指定のブレードを
お求めください。
●
高速走行時は、通常のワイパーブレードよりガラスがふき取りにくくなるこ
とがあります。その場合には速度を落としてください。
警告
■
冬用タイヤ装着時の警告
次のことを必ずお守りください。
お守りいただかないと、車両のコントロールが不能となり、重大な傷害におよ
ぶか、最悪の場合死亡につながるおそれがあります。
●
指定サイズ・同一サイズ・同一メーカー・同一銘柄および同一トレッドパター
ン(溝模様)のタイヤを使用する
●
空気圧を推奨値に調整する
●
装着する冬用タイヤの最高許容速度や制限速度をこえる速度で走行しない
●
冬用タイヤを装着する際は、必ず 4 輪とも装着する
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