Toyota Prius (2017 year). Manual japanese — part 17
255
4-5. 運転支援装置について
4
運転
警告
■
LDA をお使いになる前に
LDA を過信しないでください。LDA は自動で運転する装置でも前方への注意
を軽減する装置でもないため、運転者は常に自らの責任で周囲の状況を把握し、
ハンドル操作で進路を修正し、安全運転を心がけてください。また、長時間の
運転などによる疲労時は適切に休憩をとってください。
適切な運転操作をしなかったり、注意を怠ったりすると、思わぬ事故につなが
るおそれがあり危険です。
■
誤作動を防ぐために
LDA を使用しないときは、LDA スイッチでシステムを OFF にしてください。
■
LDA を使用してはいけない状況
次の状況では、LDA を使用しないでください。
システムが適切に作動せず、思わぬ事故につながるおそれがあり危険です。
●
応急用タイヤ
★
・タイヤチェーンなどを装着しているとき
●
タイヤの残り溝が十分にないとき、または空気圧が不足しているとき
●
構造・メーカー・銘柄・トレッドパターンが異なるタイヤを使用したとき
●
路側物に白(黄)線と見間違えるような構造物や模様があるとき(ガードレー
ル・縁石・反射ポールなど)
●
雪道を走行しているとき
●
雨・雪・霧・砂ぼこりなどで白(黄)線が見えにくいとき
●
道路の修復で、アスファルト修復跡や白(黄)線の跡などが残っているとき
●
工事によって規制された車線・仮設の車線を走行しているとき
●
雨天時や積雪・凍結などで、すべりやすい路面を走行しているとき
●
高速道路または自動車専用道以外の車線を走行しているとき
●
工事区間を走行しているとき
★
:グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。
256
4-5. 運転支援装置について
LDA を ON にするには LDA スイッ
チを押す
LDA 表示灯が点灯し、マルチインフォ
メーションディスプレイにメッセージ
が表示されます。
OFF にするには、再度スイッチを押し
ます。
いったん LDA を ON / OFF すると、
次回ハイブリッドシステムを始動した
ときにも、そのままの状態が続きます。
警告
■
LDA の故障、または誤作動を防ぐために
●
ヘッドランプを改造したり、ランプの表面にステッカーなどを貼ったりしない
でください。
●
サスペンションなどを改造しないでください。交換が必要な場合はトヨタ販売
店にご相談ください。
●
ボンネットやグリルの上には、何も取り付けたり置いたりしないでください。
また、グリルガード(ブルバー・カンガルーバーなど)を取り付けたりしない
でください。
●
フロントウインドウガラスの修理が必要な場合は、トヨタ販売店にご相談くだ
さい。
設定のしかた
257
4-5. 運転支援装置について
4
運転
LDA 表示灯
システムがONになっているとき
に点灯します。
ステアリング制御表示灯/ハンドル操舵支援作動表示
ステアリング制御機能のハンドル操舵支援が作動中のとき、表示灯が
点灯するとともに、マルチインフォメーションディスプレイの作動画
面が表示されます。
車線逸脱警報機能表示
マルチインフォメーションディスプレイを
画面(→ P. 125)に
切りかえると表示されます。
メーター表示
1
2
3
X
白線表示の内側が白いとき
X
白線表示の内側が黒いとき
システムが白(黄)線を認識してい
ることを示しています。車両が車線
から逸脱した場合、逸脱している側
の白線表示が橙色で点滅します。
システムが白(黄)線を認識できて
いない、またはシステムが一時的に
解除されていることを示していま
す。
258
4-5. 運転支援装置について
■
各機能の作動条件
●
車線逸脱警報機能
次の条件をすべて満たしたとき作動します。
・ LDA を ON にしているとき
・ 車速が約 50km/h 以上のとき
・ システムが白(黄)線を認識しているとき
・ 車線の幅が約 3m 以上のとき
・ 方向指示レバーを操作していないとき
・ 直線路または半径が約 150m よりゆるいカーブを走行しているとき
・ システムの異常が検知されていないとき(→ P. 261)
●
ステアリング制御機能
車線逸脱警報機能の作動条件に加えて、次の条件をすべて満たしたとき作動し
ます。
・ マルチインフォメーションディスプレイの
画面で
(操舵支
援)を「有」に設定しているとき(→ P. 127)
・ 一定以上の加減速がないとき
・ 車線変更に相当する程度の操舵力でハンドルを操作していないとき
・ ABS・VSC・TRC・PCS が作動していないとき
・ TRC または VSC を停止していないとき
・ 手放し運転警告(→ P. 259)が表示されていないとき
●
ふらつき警報機能
次の条件をすべて満たしたとき作動します。
・ マルチインフォメーションディスプレイの
画面で
(ふらつき
警報)を「有」に設定しているとき(→ P. 127)
・ 車速が約 50km/h 以上のとき
・ 車線の幅が約 3m 以上のとき
・ システムの異常が検知されていないとき(→ P. 261)
知識
259
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
機能の一時解除
作動条件(→ P. 258)が満たされなくなった場合、一時的に機能が解除されま
すが、ふたたび作動条件が満たされると、自動的に復帰します。
■
ステアリング制御機能について
車速や車線の逸脱状況・路面状況などにより、ステアリング制御機能の作動を感
じなかったり、ステアリング制御機能が作動しなかったりすることがあります。
■
車線逸脱警報機能について
外部の騒音やオーディオ
★
の音などにより、警報ブザーが聞きとりにくい場合が
あります。
■
手放し運転警告について
ステアリング制御機能の作動中に、手放し運転をしているとシステムが判断した
とき、マルチインフォメーションディスプレイに警告メッセージが表示されま
す。さらに操作しない状態が続くとブザーが鳴り、警告メッセージが表示され、
機能が一時的に解除されます。ハンドルに軽く手を添えた運転が続いたときも同
様です。ただし路面状況などにより、作動が中断しない場合があります。
■
白(黄)線が片側しかないとき
白(黄)線が認識できていない方向への車線逸脱警報は作動しません。
★
:グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。
260
4-5. 運転支援装置について
■
機能が正常に作動しないおそれのある状況
次のような状況では、カメラセンサーが白(黄)線を正しく検知できず、各機能
が正しく作動しないおそれがあります。
●
白(黄)線に平行するような影がある、または白(黄)線が影の中にあるとき
●
料金所や検札所の手前や交差点など、白(黄)線がない場所を走行するとき
●
白(黄)線がかすれている、またはキャッツアイ(道路鋲)や置き石などがあるとき
●
白(黄)線が砂ぼこりなどで見えない、または見えにくくなっているとき
●
雨天・雨上がり・水たまりなどぬれた路面を走行しているとき
●
車線が黄色のとき(白線にくらべて認識率が低下することがあります)
●
白(黄)線が縁石等の上に引かれているとき
●
コンクリート路のような明るい路面を走行しているとき
●
照り返しなどにより明るくなった路面を走行しているとき
●
トンネルの出入口など明るさが急変する場所を走行しているとき
●
対向車のヘッドランプ光・太陽光などがカメラに入射しているとき
●
分岐・合流路などを走行しているとき
●
坂道を走行しているとき
●
左右に傾いた道路やうねった道路を走行しているとき
●
舗装されていない道路や荒れた道路を走行しているとき
●
急カーブを走行しているとき
●
車線の幅が極端に狭いとき、または広いとき
●
重い荷物の積載やタイヤ空気圧の不足などで、車両が著しく傾いているとき
●
先行車との車間距離が極端に短くなったとき
●
走行中の路面状況(悪路・道路の継ぎ目など)により、車両が上下に大きく揺
れているとき
●
夜間にヘッドランプのレンズが汚れて照射が弱いときや、光軸がずれているとき
●
横風を受けているとき
●
車線変更をした直後、または交差点を通過した直後
●
冬用タイヤなどを装着しているとき
261
4-5. 運転支援装置について
4
運転
■
警告メッセージ
次のメッセージがマルチインフォメーションディスプレイに表示された場合は、
対処方法に従って適切に対処してください。
その他の警告メッセージが表示されたときは、表示された画面の指示に従ってく
ださい。
警告メッセージ
警告内容・対処方法
LDA 故障
販売店で点検してください
システムが正常に作動しなくなっているおそれ
がある
→ トヨタ販売店で点検を受けてください。
前方カメラシステム
利用不可
フロントガラス汚れを
取ってください
カメラセンサーの前のフロントウインドウガラ
スの汚れ・雨滴・結露・氷雪などが付着している
→ いったん LDA を OFF にして、汚れ・雨滴・
結露・氷雪などを取り除いてから、再度 LDA
を ON にしてください。
前方カメラシステム
一時使用不可
少々お待ちください
カメラセンサーの作動条件(温度など)が満た
されていない
→ カメラセンサーの作動条件(温度など)が満
たされると、LDA は使用可能になります。
いったん LDA を OFF にして、しばらく待っ
てから、再度 LDA を ON にしてください。
LDA 現在利用できません
カメラセンサー以外のセンサーの異常によりシ
ステムが一時停止している
→ いったん LDA を OFF にして、警告メッセー
ジの内容に対処したあと、しばらくしてから
再度、LDA を ON にしてください
LDA 約 50km/h 以下
で使用できません
車速が約 50km/h 以下のため LDA が使用でき
ません
→ 約 50km/h 以上で走行してください。
262
4-5. 運転支援装置について
■
カスタマイズ機能
次の設定を変更できます。
設定変更のしかたは、P. 126 を参照してください。
機能
設定内容
車線逸脱警報
警報感度
ステアリング制御機能
機能の ON / OFF
ふらつき警報機能
機能の ON / OFF
警報感度
263
4
運転
4-5. 運転支援装置について
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)
★
アクセルペダルを踏まなくても、車間制御モードでは、先行車の車速変
化に合わせた追従走行を行い、自動的に加速・減速・停止をします。定
速制御モードでは、一定の車速で走行できます。通信利用型レーダーク
ルーズコントロールは ITS Connect を装備している車両のみ使用でき
ます。
高速道路や自動車専用道路で使用してください。
●
車間制御モード(→ P. 266)
●
通信利用型レーダークルーズコントロール(ITS Connect装着車のみ)
(→ P. 271)
●
定速制御モード(→ P. 274)
表示灯
マルチインフォメーションディ
スプレイ
設定速度
車間距離切りかえスイッチ
レーダークルーズコントロール
スイッチ
機能概要
★
:グレード、オプションなどにより、装備の有無があります。
1
2
3
4
5
264
4-5. 運転支援装置について
警告
■
安全にお使いいただくために
安全運転を行う責任は運転者にあります。システムを過信せず、運転者は常に
自らの責任で周囲の状況を把握し、安全運転を心がけてください。
レーダークルーズコントロールは運転者の操作の一部を支援し、操作負担を軽
減するためのシステムで、支援の範囲には限りがあります。
システムが正常に機能していても、運転者が認識している先行車の状況とシス
テムが検知している状況が異なる場合があります。従って注意義務・危険性の
判断・安全の確保は運転者が行う必要があります。システムに頼ったり、安全
を委ねる運転をしたりすると思わぬ事故につながり、重大な傷害におよぶか、
最悪の場合死亡につながるおそれがあります。
■
システムの支援内容に関する注意点
システムの支援には限界があるため、次の点に注意してください。
システムを過信すると思わぬ事故につながり、重大な傷害におよぶか、最悪の
場合死亡につながるおそれがあります。
●
運転者が見る過程での支援内容
レーダークルーズコントロールは、自車と設定された先行車との車間距離を検
知するのみであり、わき見やぼんやり運転を許容するシステムでも、視界不良
を補助するシステムでもありません。
運転者自らが周囲の状況に注意を払う必要があります。
●
運転者が判断する過程での支援内容
レーダークルーズコントロールは、自車と設定された先行車との車間距離が適
正かどうかを判断しており、それ以外の判断はしません。このため、危険性が
あるかどうかなど運転者は自ら安全の判断をする必要があります。
●
運転者が操作する過程での支援内容
レーダークルーズコントロールは、先行車への追突を防止する機能はありませ
ん。このため、危険性があれば運転者自らが安全を確保する必要があります。
265
4-5. 運転支援装置について
4
運転
警告
■
誤操作を防ぐために
レーダークルーズコントロールを使わないときはON-OFFスイッチでシステム
を OFF にしてください。
■
レーダークルーズコントロールを使用してはいけない状況
次の状況では、レーダークルーズコントロールを使用しないでください。
適切な制御が行われず、思わぬ事故につながり、重大な傷害におよぶか、最悪
の場合死亡につながるおそれがあります。
●
歩行者や自転車等が混在している道
●
交通量の多い道
●
急カーブのある道
●
曲がりくねった道
●
雨天時や、凍結路・積雪路などのすべりやすい路面
●
急な下り坂や急で勾配の変化が激しい坂
急な下り坂では設定速度以上になることがあります。
●
高速道路や自動車専用道路の出入り口
●
センサーが正しく検知できないような悪天候時(霧・雪・砂嵐・激しい雨など)
●
レーダーセンサー前面または、カメラセンサー前面に雨滴や雪などが付着して
いるとき
●
ひんぱんに加速・減速をくり返すような交通状況のとき
●
接近警報がひんぱんに鳴るとき
266
4-5. 運転支援装置について
車間制御モードでは、レーダーセンサーにより車両前方約 100m 以内の
先行車の有無・先行車との車間距離を判定して、先行車との適切な車間
距離を確保する制御をします。
長い下り坂を走行しているときは、車間距離が短めになります。
定速走行:
先行車がいないとき
運転者が設定した速度で定速走行します。また、車間距離切りかえスイッチを操作
して、希望の車間距離に設定することもできます。
減速走行 ー 追従走行:
設定した速度より、車速が遅い先行車が現れたとき
先行車を検知すると自動で減速し、より大きな減速が必要な場合はブレーキがかか
ります(このとき制動灯が点灯します)。先行車の車速変化に合わせて、運転者の
設定した車間距離になるように追従走行します。十分に減速できない状態で先行車
に接近した場合は、接近警報を鳴らします。
先行車が停止したときは、続いて停止します(制御停車)。先行車の発進後、クルー
ズコントロールレバーを上げるか、アクセルペダルを踏むと追従走行にもどりま
す。
加速走行 :
設定した速度より、車速が遅い先行車がいなくなったとき
設定速度まで加速し、定速走行にもどります。
車間制御モードでの走行
1
2
3
267
4-5. 運転支援装置について
4
運転
ON-OFFスイッチを押して、シス
テムをONにする
レーダークルーズコントロール表示灯
が点灯し、マルチインフォメーション
ディスプレイにメッセージが表示され
ます。
OFFにするには再度ON-OFFスイッチ
を押します。
ON-OFF スイッチを 1.5 秒以上押し続
け ると定速制御 モードでシ ステムが
ON します。(→ P. 274)
希望の車速
(約50∼約100km/h)
までアクセルペダル操作で加速/
減速し、レバーを下げて速度を設
定する
クルーズコントロールセット表示灯が
点灯します。
レバーを離したときの速度で定速走行
できます。
車速が約 50km/h未満、かつ先行車が
いる状態でレバーを操作したときは、
設定速度が約50km/hにセットされま
す。
速度を設定する(車間制御モード)
1
2
268
4-5. 運転支援装置について
設定速度をかえるには、希望の速度が表示されるまでレバーを操作しま
す。
速度を上げる
(車間制御モードの制御停車中は
除く)
速度を下げる
微調整:レバーを上または下に軽く操
作して手を離す
大幅調整:レバーを上または下に保持
して速度をかえ、希望の速度で手を離
す
車間制御モードでは、設定速度は、次のとおりに増減されます。:
微調整:レバー操作をするごとに 1km/h
大幅調整:レバーを保持するあいだ、5km/h ずつ
定速制御モード(→ P. 274)では、設定速度は、次のとおりに増減されます。:
微調整:レバー操作をするごとに 1km/h
大幅調整:レバーを保持するあいだ連続して変化
設定速度をかえる
1
2
269
4-5. 運転支援装置について
4
運転
スイッチを押すごとに次のように
車間距離を切りかえます。
長い
中間
短い
パワースイッチを ON モードにするた
びに車間距離は
にもどります。
先行車がいる場合、先行車マークも表
示されます。
次の目安を参考に車間距離を選択してください。
(車速 80km/h で走行している場合)
なお、車速に応じて車間距離は増減します。また、制御停車したときの
車間距離は設定にかかわらず約 3 ∼ 5m です。
先行車の発進後、レバーを上げる
先行車の発進後にアクセルペダルを踏
んでも追従走行に復帰します。
車間距離を変更する(車間制御モード)
先行車
マーク
1
2
3
1
車間距離選択の目安(車間制御モード)
車間距離選択
車間距離
長い
約 50m
中間
約 40m
短い
約 30m
制御停車から追従走行に復帰させる(車間制御モード)
270
4-5. 運転支援装置について
制御を解除するには、レバーを手
前に引く
ブレーキペダルを踏んだときも解除さ
れます。
(車間制御モードの制御停車中
は、ブレーキペダルを踏んでも解除さ
れません)
制御を復帰させるには、レバーを
上げる
ただし、車速が約 40km/h 以下で、か
つ先行車を検知していないときは、復
帰しません。
追従走行中の他車の割り込みなど、
十分な減速ができない状態で先行
車に接近したときは、表示の点滅と
ブザーで運転者に注意をうながし
ます。その場合は、ブレーキペダル
を踏むなど適切な車間距離を確保
してください。
■
警報されないとき
車間距離が短くても、次のような場合は警報されないことがあります。
●
先行車と自車の速度が同じか先行車の方が速いとき
●
先行車が極端な低速走行をしているとき
●
速度を設定した直後
●
アクセルペダルを踏んだとき
制御を解除する・復帰させる
1
2
接近警報(車間制御モード)
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